中国から韓国への大気汚染物質CO流入、「もはや統制不可能なレベルに」と韓国紙

中国で発生した大気汚染物質の一酸化炭素(CO)が韓国に大量に流入しているとことが研究で判明。韓国紙は「その量はもはや統制不可能なレベル」と伝えた。写真は韓国。

中国で発生した大気汚染物質の一酸化炭素(CO)が韓国に大量に流入していることが研究で明らかになった。韓国紙は「その量はもはや統制不可能なレベル」と報道。COは体内に入ると血液の酸素運搬能力を大きく低下させ、吸引時には少量であっても呼吸困難に陥る恐れがある

朝鮮日報によると、COは一般家庭用燃料や工業用燃料を燃焼する際に発生する。米イリノイ大学農学・消費者・環境学部の研究チームは米国、欧州、中国、韓国、その他の五つの地域を対象に大気を通じた汚染物質の移動経路を追跡した。

その結果、中国から韓国に流入するCOは1999~2014年に最大で10.6Tg(テラグラム、1兆グラム)に達していた。この期間、韓国は自国で発生する一酸化炭素を0.8 Tg 減らしたが、それでも中国から流入する量に比べるとあまりに少ない。

研究チームは「5TgのCOは年間1万3500マイル(約2万17000キロ)を走行する米国のすべて自動車(約2億7400万台)の排出量に相当する」と指摘。「この増加幅は決して少なくはなく、韓国は大気汚染に対する独自の統制力を事実上喪失した」と説明した。

研究チームは「中国から韓国に流入するCOのほとんどが中国の内需向け商品製造の過程で発生した」と分析している。中国でも汚染物質を減らす技術が一部で改善はしているが、1990年から2014年までの間に中国の人口と消費が増加し、生産量が増えた影響の方がはるかに大きいという。

チームは「今回の研究結果は大気汚染が各国独自には解決できない、もはや世界的な問題という事実を示すものだ」「一つの地域から排出される汚染物質はさまざまな形で他の国に影響を及ぼしている」と結論づけた。

チームのリーダーを務めたSandy Dall'Erba教授は「韓国はここ数年間、大気汚染を減らすためさまざまな対策を取ったにもかかわらず、大気汚染はむしろ悪化している」「中国製品の多くは米国や欧州の消費者に販売されているが、韓国における汚染状況悪化の責任を誰に追及するかも重要な課題だ」とコメントした。

中国から韓国に流入する大気汚染物質はCOにとどまらない。中央日報は「2月の中国最大の祝祭日『春節』(旧正月)連休終盤、中国で発生し高濃度のPM2.5(微小粒子状物質)に韓国全域が苦しめられた」と報じた。

中国で爆竹や花火の規制が緩和されたためとみられ、ソウル市は2月11日午後8時にPM2.5注意報を出した。韓国環境部国家測定所の記録によると、ソウル蘆原区は11日午後9時時点で1時間の平均濃度が105マイクログラム/立方メートルとなり、「非常に悪い」基準濃度(76マイクログラム/立方メートル)をはるかに超えた。(編集/日向)

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