マカオの2024年2月飲食業・小売業景気調査結果公表…両業界とも春節ホリデー効果で売上額対前月プラスも翌月見通しは悪化

マカオ歴史市街地区にあるモンテの砦から望む町並み(資料)=2020年4月本紙撮影

 マカオ政府統計調査局は4月19日、今年(2024年)2月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公表した。2月は観光都市マカオにとって年間最大の書き入れ時のひとつとなる旧正月の春節ホリデーがあった。

 同局の調査に回答した飲食業者の売上額は前年同月から19.6%増。ジャンル別ではチャイニーズスタイルの酒楼・飯店と茶餐廳・粥麺店がそれぞれ31.5%、12.7%増だった一方、日韓レストランは19.2%減。

 同局の調査に回答した小売業者の売上額は0.8%減。ジャンル別ではコスメティック・衛生用品と自動車がそれぞれ19.6%、14.4%減。スーパーマーケットは21.9%増。

 前月と比較した売上額については、春節ホリデーの影響から飲食業で13.1%増、小売業についても9.2%増に。飲食業ではチャイニーズスタイルの酒楼・飯店が28.3%の顕著な増、茶餐廳・粥麺店は1.2%減。小売業では百貨、時計・ジュエリー、革製品がそれぞれが19.2%、17.3%、15.3%増、自動車は35.5%減。

 2月と比較した3月の見通しについては、春節ホリデー後の落ち込みを見込み、飲食業の56%が減、16%が増、小売業では49%が減、15%が増とした。なお、飲食業のうちチャイニーズスタイルの酒楼・飯店とウェスタンスタイルのレストランのそれぞれ75%、64%、小売業のうち百貨商、スーパーマーケット、革製品小売、時計・ジュエリー小売のそれぞれ70%、67%、57%、52%が減と回答。

 売上高の前月比の変化を反映した業務展望指数は飲食業が29.8、小売業が33.0で、いずれも基準値となる50を下回り、2月に比べて3月の売上が悪化するとみていることを示す結果に。

 なお、調査サンプル数は飲食業が229事業者、小売店が161事業者で、コロナ前2019年の各業界における総売上の前者が53.5%、後者が70.6%を占めるとのこと。

 マカオでは昨年1月初頭のウィズコロナ転換による水際措置の大幅緩和を受けてインバウンド旅客数の急回復が続いており、直近まで勢いを維持している。ただし、アフターコロナでは、インバウンド旅客の消費嗜好の変化のほか、ボーダーを跨ぐ移動が容易になったことでマカオ市民のマカオ以外での消費が増えたとする見方もある。

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