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4月13日放送の『卓球ジャパン!』は、先月行われたシンガポールスマッシュでの伊藤美誠(スターツ)対平野美宇(木下グループ)をDEEP解説。
新たな目標に向かって突き進むライバル2人の今に迫った。
悲願のパリ五輪シングルス代表権を獲得し、五輪に向けて世界ランクを1つでも上げたい平野。一方、選考レースは敗れたものの「世界ランク1位」に向けて再スタートを切った伊藤。
シンガポールスマッシュ女子シングルス3回戦でそんな2人が激突した。
今大会の初戦では早田ひな(日本生命)をストレートで下すなど好調ぶりを見せる平野が、伊藤のミスを誘う巧みな戦術でゲームカウント2-1と王手。
第4ゲームも6-2とリードするが、ここから伊藤の逆襲が始まる。
「ある意味気持ち的に吹っ切れた部分もありますし、状態としてはここ最近で一番いいなと思いました」と伊藤を評したMC平野早矢香。
バックサイドのボールを積極的に回り込んでフォア強打で決めるプレーが多く見られ、第2、第3ゲームではミスが出たものの、第4ゲーム中盤から再びフォアが決まり始める。
そしてそんな伊藤のプレーに押され平野のメンタルが徐々に崩されていく。MC平野が気になったのは、第4ゲーム8-5での平野のバックハンドのミス。
「このボール、"あれ?"と思いました。今のはもったいないミス。あそこの1球がポイントだったのかなと」
何気ない1本のミスから流れは伊藤に傾いていく。
また9-7では平野がツッツキで鋭く返そうとしてミスをした。
「このツッツキにしてもそんなに決めに行くような技ではない。ゆっくりでいいから深く突っついて(伊藤に)打たせたボールを狙うみたいな気持ちで良かったと思うけど、ちょっと打ち急いるというか、平野選手の気持ち的な乱れがあるのかなって思います」(MC平野)
ここからお互いにゲームポイントを握る展開になっていくが、アグレッシブなプレーに徹する伊藤に対して、平野のプレーは「戦術的にまとまってない」とMC平野は指摘する。
「メンタル的な部分で、やることがある程度固まって腹くくってる伊藤選手だが、平野選手からは"ここで勝ちたい"っていう気持ちが出てるように感じます」
ツッツキの長短も中途半端になってしまい、平野リードの14-13の場面でもレシーブが中途半端な長さになって伊藤にバックハンドで攻められる。
「長くいくなら長くいくとか、ツッツキとかストップに自信がなければチキータでもいいと思う」(MC平野)
平野はマッチポイントを握るも最後の1本が取りきれず、伊藤が16-14でゲームを奪い返した。
そして、最終第5ゲームは伊藤が平野をめった打ちにするという予想外の展開に。
3-0の場面では平野のロングサーブを完璧に読み切り、レシーブから回り込みフォアスマッシュで打ち抜く伊藤。
「ゴン攻め! 全盛紀の美誠ちゃんを見てる感じ。止めらんねえなっていう」とMC武井壮も鮮やかすぎる伊藤の攻めを見て笑うしかない。
らしさ溢れるプレーで躍動した伊藤が11-1という驚きのスコアで勝利。
試合後には「お互い知った仲なので、何か1つでも崩せれたらなと思ってすごい頭をフル回転させて頑張りました!」とコメントを残した。
伊藤は続く準々決勝で元世界女王の王曼昱(中国)と対戦。
5年ぶりの勝利はならなかったが、2ゲームを連取し、"大魔王健在"を印象づける素晴らしい戦いぶりを見せた。
「"また来たよ!大魔王"みたいなそんな予感をさしてくれますね。オリンピック選考は残念でしたが、ひと皮向けた美誠ちゃんが生まれ始めてるなって気がします!」と伊藤のさらなる飛躍に武井も期待を寄せた今大会だった。