桜満開、能舞と共演 みやびな世界観に観客浸る 弘前公園(青森県)

満開のソメイヨシノの下で行われた弘前城御能PR公演=19日午前、弘前公園

 弘前さくらまつりが行われている青森県弘前市の弘前公園では19日、園内全域でソメイヨシノが満開となった。園内の二の丸では能舞が上演され、詰めかけた多くの観客が咲き誇る桜と、弘前藩主も本丸で楽しんだとされる能の共演を味わい、みやびな世界観に浸った。

 今年は弘前城で初の能舞が行われてから350年を迎える。この日行われたのは節目の年を記念して11月に開催される「弘前城御能(おのう)」のPR公演で、能楽協会(本部東京)に所属する観世流の団体が見どころを10分ほどにまとめた演目「吉野天人」と「敦盛」を披露した。時折風に吹かれた花びらも幻想的な雰囲気を演出。観客は写真や動画を撮るなどして楽しんだ。

 英国から訪れた母親と共に鑑賞したデビナ・パテルさん(40)=岩手県在住=は「桜と能が一緒に見られて、信じられないくらいきれいだった。東京でも京都でも、こんなに素晴らしい光景は見たことがない。最高だった」と笑顔で話した。

 PR公演は「文化こうりゅう事業実行委員会」(事務局・市文化振興課)が主催し、20日も行われる予定。

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