義母「また不倫してるんじゃないの?」…略奪婚した罪は消えないと思った「30代妻の苦悩」【前編】

義実家が認めてくれないまま何年も経過

有紗さん(仮名)は4年前に、妊娠を機に結婚。夫は当時、別の女性と結婚していたために有紗さんとは不倫関係でした。有紗さんの妊娠については関係者間でドロ沼の様相で揉めたものの、最終的に夫は当時の妻と離婚して、有紗さんと再婚したそうです。

「私は略奪婚をした背景があるので、最初からずっと義実家によく思われていません。現在でも、必要最低限の交流にとどまっています。でも、義父母ともに孫のことはかわいがってくれていて、息子も懐いているので、義実家には息子だけで定期的に泊まりには行っていたのです。
ところが、いつものように息子だけが義実家に泊まりに行ったある日を境に、義実家と私の関係はさらに悪化し始めました」

その日は、義実家に泊まりに行く息子の迎えをいつも担当していた夫が忙しく、仕方なく有紗さんが向かうことになったのだとか。有紗さんは、義母と普段からほとんど会話がなく、会えば毎回何かしら不倫や略奪婚の過去に絡めて嫌味を言う義母を、なるべく避けていたそうです。

「短時間とはいえ義母と顔を合わせなくてはいけないので、“今回も何か言われるんだろうな”と憂鬱な気分で義実家へと向かいました。案の定、その日もすぐに“服装が派手すぎる、母親がする格好じゃない”“また不倫してるんじゃないの?”などと暴言を口にしてきました。
いつもなら我慢をするのですが、その日は息子の前で言われたので、私も腹が立って。義母に“やめてください!”と、大きな声で言い返したんです。すると義母はヒートアップして、私に対して“不倫女! 略奪しておいて図々しいのよ!”などとさらに暴言を吐いてきて、収拾がつかなくなりました」

義母と絶縁する決意

このまま義母と一緒にいても息子に悪い影響が出るだけだと感じた有紗さんは、怒りながらすぐに義実家を後にしたそうです。しかし帰りながら、「不倫の過去は、何年経っても消えないのだな」と深く落ち込んだと言います。

「世間的に後ろ指をさされることをしたのは自分なのですが、すでに結婚をして子どもまでいるのに、まだ過去のことを背負わなくてはいけない現実に、吐き気がしました。結婚をした最初の頃は、義実家との関係も時間が解決してくれると思っていましたが、息子がある程度の年齢になっても義母は私の存在を認めないのです。
その日の帰り道では、もう義実家とはこれをきっかけに決別するしかないのかなと考え始めていました。息子には悪いけれど、義実家と付き合っていたら私のほうがダメになってしまうなって思って……。しかも帰りの車の中で、息子から「不倫って何?」と聞かれてしまい、なんと言えばいいか、答えに困りました……」

不倫の末に結婚に至った事実を義実家が知っていれば、新たに妻となった女性への心象は悪くなりやすいのも現実でしょう。時間が解決してくれて、いつかは穏やかな生活が送れると期待をしていても、義実家の態度によっては結婚後もずっと不倫の罪を背負い続ける生活を送るパターンは珍しくありません。

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