新井順子Pが『9ボーダー』の現場を語る 「『高校生か!』とツッコミを入れたくなるぐらい」

川口春奈が主演を務める4月期のTBS金曜ドラマ『9ボーダー』の初回放送を前に、新井順子プロデューサーよりコメントが寄せられた。

本作は、19歳、29歳、39歳と、各年代のラストイヤー=「9ボーダー」真っ只中の3姉妹を主役としたヒューマンラブストーリー。父の突然の失踪を機に一つ屋根の下に集結した3姉妹が、「LOVE」「LIFE」「LIMIT」の“3L”をテーマに、モヤモヤや焦りを抱え幸せになりたいともがきながら、人生を前向きに進んでいく姿を描く。

主人公・大庭七苗を演じる川口をはじめ、七苗の姉・成澤六月役で木南晴夏、妹・大庭八海役で畑芽育、物語のキーマン・コウタロウ役で松下洸平、自由奔放な公認会計士・松嶋朔役で井之脇海、七苗の幼なじみ・高木陽太役で木戸大聖が出演する。

新井プロデューサーにとって、本作は「5年越しに実現した企画」だという。

「19歳、29歳、39歳、その年代最後の年になったとき、自分の人生はこれで良かったのかな?と、誰かと自分を比べたりしながら振り返って、これまでの人生やこれからを考えるきっかけになることがあるなと感じました。幸せは近くにあるのに気付けないでいる、そんなラストイヤー真っ只中の3姉妹を通して、働く意味や、人と人とのつながりを描きながら、“幸せ”とは何かを考えられる作品にできたらと。ドラマを観て、金曜日の夜にハッピーな気分になってほしいです!」

19歳、29歳、39歳のキャラクターが登場する本作。『9ボーダー』というタイトルは一体どのような経緯で決まったのだろうか?

「初めから“9ボーダー”という言葉は頭にありまして、他にも10本くらい別案を出して検討しました。でも“9ボーダー”の音の響きが一番良かったので、結果的にこのタイトルに決まりました。最近では会話をする中でも、『私、“9ボーダー”なんです!』と、お会いするみなさんが気軽に使ってくださっていて。とても浸透しやすいタイトルになったと思っています」

本作の場面写真が公開されてから注目が集まっていたのが、川口、木南、畑が演じる3姉妹の衣装。それぞれの個性をどのように付けていったのだろうか。

「七苗は最初、どういう衣装にしようかスタイリストさんと打ち合わせをしたとき、『モノトーンがいいね』という話になりました。というのも以前、川口さんが主演した『着飾る恋には理由があって』のときは、とてもカラフルな衣装だったこともあり、『“大人春奈”にしたい!』という思いがありました。一方、六月は自由奔放な明るいキャラクターを出したかったので、柄が多くカラフルで元気な印象の衣装にしています。六月の経営する会計事務所にやってくる松嶋朔(井之脇海)の衣装も柄オン柄にして、似た者同士にしました。長女(六月)と三女(八海)はちょっと派手好きなところが似ていて、八海は10代らしい可愛い色合いの衣装になっていると思います」

現場でも三姉妹はとても仲がいいそうで、「3姉妹を中心に出演者の方たちはとても仲良しです。『役作りで敬語を使うのをやめてみよう』という監督からの提案もあり、今では空き時間でも肩と肩がくっつくぐらい近くに寄り添って、楽しそうにおしゃべりしている3姉妹です(笑)。畑さんは一番年下なので、敬語を使わないことにためらいもあったと思います。そこに川口さんや木南さんが積極的にコミュニケーションを取ってくださって、すっと畑さんが入っていけたので、今では一緒に並んでいる感じがとても自然になっています」とコメント。

また、松下ら男性陣とも積極的にコミュニケーションを取っているようで、「男性陣とも雰囲気がよくて、ドラコレ(TBS DRAMA COLLECTION 2024 SPRING)の空き時間にも、『高校生か!』とツッコミを入れたくなるぐらい6人で楽しそうにキャッキャッ話していました(笑)。コウタロウ役の松下(洸平)さんは『はじめまして』の方もすぐに心を開いてしまうような、柔らかい雰囲気をもっている方なので癒やされます。川口さんとも最初に会ったときから、すぐに打ち解けて撮影現場でもよく話しています」とチーム全体の雰囲気のよさを明かした。

本作の演出のひとりとして参加いしているのは、映画『おいしい家族』などを手掛けたふくだももこ。新井プロデューサーはどんな演出家と捉えているのだろうか。

「ふくださんはとても自由でハッピーな方です。いい意味であまりいろいろなものにとらわれないというか。演出も、お部屋が可愛かったり衣装が可愛かったりと、視覚的な画作りがとても巧みです。この作品にもふくださんの感性がふんだんに出てきますので、そういうところも注目してほしいですね」

また、本作のポイントとなっているのが「銭湯」を舞台にしているところ。そこにはどんな意図があるのだろうか。

「高級住宅街ではなく、ちょっと懐かしい感じがする街がいいなと思って。また、銭湯で薪を割ったりする画を見せたかったんです。企画当時、薪火料理にはまっていて、銭湯=薪=薪火料理みたいなイメージで作っていきました」

最後に視聴者に向けて次のようにメッセージを送った。

「3姉妹による三者三様のラブストーリーとヒューマンストーリー、そして時々サスペンス。さまざまな出来事が巻き起こり、その中で3姉妹がどのようにして“ボーダー”を越えていくのかを楽しんで頂きたいです」

(文=リアルサウンド編集部)

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