新たな観光の足として注目「電動キックボード」 北海道美瑛町でシェアリングサービス導入 一方で、死亡事故も…安全に利用する方法は

19日から始まった、「電動キックボード」のシェアサービス、走行時には注意も必要です。

堀内大輝アナウンサー
「左右みると丘、景色がとってもきれいです。気持ちいい!」

北海道の人気観光地、美瑛町で、19日から始まったのは、「電動キックボード」のシェアリングサービスです。

美瑛町観光協会 細谷侯仁さん
「レンタサイクルと違ってですね、汗をかかないところがとてもよくて、気持ちよく走れるものですから、ぜひぜひみなさんに使っていただければ」

インバウンドの回復で、観光客が戻った、丘のまち、美瑛町。駅などの交通拠点と観光地を結ぶ、二次交通の充実につながるのでしょうか。

新たな観光の足として期待される「電動キックボード」の可能性を、もうひとホリします。

19日から美瑛町で導入された「電動キックボード」のシェアリングサービス。

JR美瑛駅近くの観光案内所などが入る「四季の情報館」に10台が配置され、24時間利用可能で、料金は15分まで800円。それ以降は15分ごとに500円が追加されます。

16歳以上は運転免許なしで公道を走ることができ、ヘルメットの着用は努力義務。

スマホ一つで好きな時間に予約することができ、バッテリーで走行するため二酸化炭素を排出せず、環境にもやさしい乗り物として注目されています。

堀内大輝アナウンサー
「いま坂道走ってますけど、坂でもまったく減速することなく進んでますね。パワフルですね、すごく。おー!快適!」

このサービスは、美瑛町の観光協会と「電動キックボード」や「電動アシスト自転車」のシェアリングサービスを行う、東京の会社が共同で実施。

導入の背景には、地方の観光地が抱える“二次交通の問題”があります。

美瑛町観光協会 細谷侯仁さん
「やっぱり二次交通の不足の部分で、夏場来られたお客様がタクシー等々がなくて、観光の目的地までたどり着けないという部分で、レンタサイクルもあるんですけど、ちょっと違ったモビリティということで、観光協会として導入を決めさせていただきました」

2023年7月の法改正で、最高速度が時速20キロを超えない構造など、一定の基準を満たせば16歳以上は免許なしで乗ることができる「電動キックボード」。

ルールが緩和されたことで、より身近な乗り物になりつつあります。

大竹彩加アナウンサー
「札幌市にあります、特定小型原動機付自転車の販売代理店にやってきました。カラフルな電動キックボードが並んでいます」

こちらのお店では2021年の販売以降、問い合わせが増え、去年1年間でおよそ30台が売れたといいます。

興味を示すのは、若者だけではないようです。

ゼンリン 宮坂弥志さん
「多いのは高齢の方から、自分でも乗れるでしょうかと。実際に乗ってみたいという問い合わせが多いです」

免許返納後に、車の代わりに生活の足としての利用を考える高齢者が多いそうです。

しかし、実際に試乗してみると…。

ゼンリン 宮坂弥志さん
「非常にバランス感覚が必要で、なかなかキックボード自体に慣れていない高齢の方は、安定した運転ができないようです。実際、いま現状、当社で扱っている電動キックボードでは、運転が非常に難しいということで、断念されるケースが非常に多かったです」

手軽に乗れて便利な電動キックボードですが、安全面には課題も。利用者の増加に伴い、交通違反や事故も増えてきています。

2023年、長野県では電動キックボードが高速バスと衝突し、電動キックボードに乗っていた30代の女性が死亡する事故も起きています。

ゼンリン 宮坂弥志さん
「事故に多いのは、段差、カーブ、下り坂などで、タイヤが非常に小さいので、段差で行けると思っても実際はひっかかってしまって、倒れてしまうケースが非常に多い。特に北海道は、雪がとけたときに道路の状態があまりよくないので、バランスを崩すというケースがあると思われます」

去年7月からの、電動キックボードの新ルールですが
・16歳以上で、免許不要
・ヘルメットは努力義務
・最高速度は時速20キロ
・ナンバープレートは装着必須
・自賠責保険の加入必須 などです。

今年7月には、2輪ではなく3輪のキックボードが発売予定で、自立ができて倒れにくいのが特徴で、オプションでサドルをつけることもできるため、安定感がアップするということです。

移動の選択肢が増えるという意味では、助かる乗り物ではないでしょうか。

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