6年連続のツキノワグマ出没注意報 山菜採りやレジャーで山に入るだけでなく人里で出くわす危険性も 場面に応じた対策呼びかけ 岩手

山林に入る機会が増え、人里での被害が多発していることを受けて、岩手県は19日、6年連続となる「ツキノワグマの出没に関する注意報」を県内全域に発表しました。

県自然保護課によりますと、県内では昨年度ツキノワグマの出没件数が5877件で過去5年の平均値の2倍以上となっています。人身被害は過去最多の46件発生し、うち女性2人が亡くなっています。
また、ツキノワグマは山のブナの実が豊作か平年並みになると、メスの栄養状態がよくなり、翌年生まれる子グマの数が多いとされています。去年は凶作となったものの、おととしは平年並みだったことから、県は今年も子グマの数は多いとみていてます。このため山菜採りやレジャーで山林に入る機会が増えるのに合わせて、注意報を発表しました。
注意報の発表は2019年から6年連続です。去年は4月18日発表で、5月26日に警報に引き上げられました。

県は予期しないクマとの遭遇で被害の発生する危険性が高く、近年人里で被害に遭うケースも増えているとして、場面に応じて以下の対策を行うよう呼びかけています。
【クマの生息域(山林内)】
○事前に入山地域の出没・被害情報の確認
○複数人で行動し鈴やラジオなど音の出るものの携行
○明け方・夕方の入山を避ける
○撃退グッズ(忌避スプレーや鉈など)の携帯
○クマのふんや足跡を見たら引き返す
【人里】
○廃棄物や生ごみ、コンポストの適切な管理
○農地周辺のやぶを刈り払うなど見通しの良い環境整備
○電気柵設置でクマを寄せ付けない
○庭先の果樹の適切な時期の速やかな収穫
○屋外やクマが侵入できる納屋に果物、穀物、ペットフードなどを保管しない
【クマに遭遇した場合】
○目を離さず静かにゆっくり後退する
○クマとの間に木や岩をはさむ
○風向きに注意して忌避スプレーを使用
○クマが攻撃してきたら両腕で顔や頭をカバー、体を丸くして地面に伏せて防御

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