令和の三冠王が本領発揮か ヤクルト・村上が2戦連発の3号決勝弾で最下位脱出 初のお立ち台で「一緒に優勝したい」とファンへ宣言も

 お立ち台で笑顔を見せる村上(撮影・佐藤厚)

 「ヤクルト4-3DeNA」(19日、神宮球場)

 2戦続けてオスナ&村上のアベック弾が飛び出すなど、連勝で最下位脱出。村上は決勝弾の3号ソロを含め3安打を放ち、打率・333でリーグトップの数字になった。

 開幕から打球がなかなか上がらなかった村上が、本来の調子を取り戻した。同点の八回に先頭で打席に立つと、高めに浮いた直球を見逃さなかった。フルスイングで捉えると、打球の行方を確信した主砲はゆっくりと歩き出した。右中間席中段まで運ぶ豪快な決勝弾で、今季初のお立ち台に上がった。

 目標を問われた村上は、ファンへ向けて「今ちょっとね、キャプテンがいなかったり、守護神がいなかったり、チーム状況としはあまり良くないけど、僕ら一人一人野球としっかり向き合って戦えているので。必ず上を目指して、優勝して、みなさんと一緒に喜びを分かち合えると思います。勝てる時ばかりじゃないですけど。負ける時も、勝てる時も、一緒に悔しさを味わって、勝ちの喜びを味わって、一緒に優勝したいと思います」と宣言。球場を熱く、一つにした。

 13日のDeNA戦(横浜)では、人生初という「2番」で先発出場。首脳陣から提案される「気分転換」の打席で、今季初打点を挙げると、翌14日には待望の今季1号を放った。さらに18日の中日戦(バンテリンドーム)で2号2ランが飛び出し、2戦連発と令和の三冠王が本領発揮モードに突入した。

 試合後の高津監督は「4番の働きというか、こちらが期待してる通りの答えを出してくれましたね」とうなずいた。

 また、今季1号を放った際には「周りの人が助けてくれた、それを今度はムネが返せばいい。本当にチームが苦しい時に打って返してくれたら、それはもうそれでオッケーです」と背中を押していた指揮官。高津監督の願い通り、村上も一振りでチームを勝利に導いてみせた。

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