いよいよ明日4月20日開幕!歴史的名画が郡山市立美術館に「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」

今から150年前にフランスで誕生した印象派の絵画。芸術にあまり馴染みがなくても、「印象派」という言葉は知っている、という方は多いのではないでしょうか。 そんな今や大人気の印象派ですが、19世紀後半に国境を超えて世界中に広がり、アメリカにおいては「アメリカ印象派」として花開いたということは、もしかすると日本ではまだそれほど知られていないのかもしれません。

4月20日から郡山市立美術館で開幕する「印象派展 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵展」は、アメリカのウスター美術館が収集したモネやルノワール、セザンヌといった印象派の巨匠の作品だけでなく、ハッサムをはじめとした日本初公開のアメリカ印象派の作品がずらりと並ぶ貴重な展覧会です。 東京・上野の東京都美術館で行われた東京展では、来場者数が31万人を超え、大変注目を集めました。

開幕前日の今日、郡山市立美術館では開会式と内覧会が行われ、集まったメディア関係者や美術関係者は、絵画から伝わってくる光のゆらめきと、間近で見るからこそ伝わる繊細な筆づかいに魅了されました。

郡山市立美術館の館長である永山多貴子さんは、「印象派の特徴は、画家たちが自分の目で日常の中に描く対象を見出したということ、そして、光や風といった本当に一刻一刻と変化していく自然の様を描き止めようとしたその姿勢にあります。」と話します。

印象派が誕生した当時、神話や宗教画が一般的だったため、日常の中から、自分の目にもたらす印象をそのままいきいきと描いた印象派は、非常に革新的な表現方法でした。 そんな当時の人々にとって「前衛の現代アート」であった印象派の作品を、先駆け的に収集したのがウスター美術館です。

今や「モネといえば睡蓮」とも言われていますが、そんなクロード・モネの《睡蓮》を世界で初めて購入した美術館が、ウスター美術館です。そして、その歴史的名画が今回、郡山で展示されています。

永山さんは「この作品は柔らかな光をうけてゆらめくような水面の表情が見事に捉えられている作品。ぜひ百聞は一見にしかずで楽しんでほしいです」と話します。

間近で《睡蓮》を見た福島中央テレビの大橋アナウンサーは「やはり生でみる《睡蓮》は映像で見るのとは全くの別物だなと思いました。実物は淡い色調の中にいくつもの違う色が繊細なタッチで描かれていて立体感があります。水はより透明に見え、睡蓮は水面にぷかぷかと浮かんでいる様子が伝わってきます。写真や映像で見るものとは実物で見るものにはこんなに差があるのかとびっくりしました」と興奮冷めやらぬ表情で話していました。

また、自身でも絵を描くというギャラリー菜根の山田浩社長は「空が池に写っているその絶妙な筆づかいに圧倒されました。何時間見ていても飽きない作品だなと思います。」と話します。

印象派の作品は、近づいてみるとタッチが非常に鮮明に見え、少し距離を置いてみるといきいきと見える視覚効果があると永山さんは話します。作品の前に立たなければ感じ取ることができない空気感や感覚こそが、印象派の作品の醍醐味ともいえます。

内覧会を鑑賞した人の中には、「福島っぽい風景だね」と話す方もいました。確かに、作品を鑑賞していると、遠く離れたアメリカで描かれた作品であるにも関わらず、ふとどこかで見覚えがあるなと感じるような瞬間があります。

永山さんは、「ちょうど今、郡山市の美術館では山桜が芽吹く大変美しい季節です。アメリカの印象派の画家たちと、寒冷の土地に暮らす私たちの間には、季節感や自然に対する豊かな感受性について、非常に共感できるところが多いように思います。皆様にも、ぜひそうした魅力をご体感いただければと思います」と話します。

皆さんはこの展覧会を訪れて、一体どんな”印象”を抱くでしょうか。
いよいよ、明日4月20日、郡山展が開幕します。

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