10ホールド両リーグ一番乗り! 首位ソフトバンクを支える強力セットアッパー、「どの球種も一級品」とコーチ最敬礼

◆ソフトバンク9―7オリックス(19日、ペイペイドーム)

まだ荷が重かったということだろうか。3点リードの6回に3番手として登板した杉山だ。相手は7番宗からの攻撃と比較的楽な状況に思えたが、いきなり3連続長短打を浴びて2失点。後続は何とか抑えて1点のリードを保ったまま役目を終えたが、反省の残るマウンドとなってしまった。

それまでの杉山は5試合の登板で計6回を投げて2安打無失点、10奪三振と抜群の安定感を誇っていた。それだけに、首脳陣は杉山が僅差のリードの状況でどんな投球をするか、確認も含めた起用だったように思う。次回こそ、期待に応える投球を見せてほしい。

一方、期待を裏切らない投球を見せたのがセットアッパーとして君臨する松本裕だ。2点リードの8回。5番手として登板すると、1死から8番紅林に右前打を浴びながらも、後続をピシャリ。無失点投球で守護神のオスナにバトンをつなぎ、チームの勝利に貢献した。

これで松本裕は開幕からの無失点を10試合に伸ばした。もちろん、自己最長を更新だ。しかも、全てホールドが付く投球で、10ホールド到達は両リーグ一番乗り。これほど頼もしいセットアッパーの存在に、倉野投手チーフコーチも「どの球種でもカウントが取れるし、どの球種も一級品。すごく安定していて、頼もしい」と絶大な信頼を寄せる。チームが首位を走る原動力と言っても過言ではない。
(石田泰隆)

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