FRB、現行政策「適切」 物価巡る進展は停滞=シカゴ連銀総裁

[19日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は19日、インフレ抑制に向けた進展は今年に入り停滞したとして、連邦準備理事会(FRB)の現在の制約的な政策は適切との考えを示した。

グールズビー氏は「労働市場の力強さに加え、長期的にインフレ緩和が進んでいることを踏まえるとFRBの引き締め的な政策は適切だと考えている」とし、「再調整し、様子を見る必要がある」と述べた。

このところの経済指標でインフレ率が予想を上回っていることについては「看過できない」とし、経済と労働市場の継続的な力強い伸びが景気過熱の兆候かどうか、FRBは判断していかなければならないと語った。

その上で、移民の増加などを背景に生産性と労働参加率が向上し、サービスインフレに「改善の余地」がある可能性が示唆されているものの、住宅価格が高止まりしていることが引き続き物価安定に対する主要な脅威となっていると述べた。

インフレが予想以上に根強いことを踏まえ、利上げの可能性を否定しなかったものの、インフレが再び低下傾向に転じれば、FRBは金利を引き下げる必要があるかもしれないと言及。「何が必要なのか、どの程度まで制約的になるべきかを見極めようとしている。判断するには数週間、数カ月かかる」とし、「経済指標に従うことが今後の適切な政策運営となる」と述べた。

エコノミストは、FRBは向こう3回の会合で金利を据え置き、9月17─18日の会合で利下げに着手すると予想している。

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