刀剣「山姥切国広」を未来へ 足利市が基金設置を発表 維持管理や展示会開催に活用

足利市民文化財団が取得した国重要文化財「山姥切国広」

 栃木県足利市の早川尚秀(はやかわなおひで)市長は19日の定例記者会見で、市ゆかりの刀剣「山姥切国広」を適正に管理・活用する費用に充てるための、市山姥切国広未来継承基金を設置すると発表した。基金積立額は約3千万円で、6月の定例市議会に補正予算案を提出する予定。

 山姥切国広の購入に向けて市が立ち上げた「縷縷(るる)プロジェクト」のクラウドファンディング(CF)などで集めた1億7013万7千円のうち、1億円を購入費、3923万4千円をCFの手数料など必要経費としており、その残金を基金に積み立てる。

 基金は維持管理や展示会開催、未来継承に関わる事業に充てる。このうち未来継承関連の使途は、CFの返礼品であるデジタルデータのオーナー証の管理費などが該当する。

 刀剣の維持管理には費用を要することから、基金に繰り入れる財源を確保する取り組みを引き続き行っていくという。早川市長は「きちんとした形で保管、展示を続けていくことを目標に取り組んでいきたい」と話した。

定例記者会見で基金設置を発表する早川市長

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