友人だった水原容疑者の犯行に衝撃 元日ハム助っ人たちが激白、ギャンブル癖は「聞いていない」

水原一平容疑者【写真:Getty Images】

日本時代に献身的なサポートを受けた助っ人たち

米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手の通訳を長年務めた水原一平容疑者が銀行詐欺罪で訴追されたことは、現在も各方面に大きな波紋を広げている。大谷の口座から1600万ドル(約24億5000万円)以上もの不正送金したとされる事件。米スポーツ専門局「ESPN」は、日本 ハム通訳時代の水原容疑者と交流があった助っ人外国人選手たちの証言を報じた。一様に“信じられない”といった様子で日本時代のエピソードを公開。「イッペイがいなければ僕は完全に路頭に迷っていた」「彼がギャンブルについて話しているのを一度も聞いたことはなかった」など、複雑な胸中を明かしている。

今回「ESPN」の取材に応じたのは元投手のマイケル・クロッタ氏、元投手のミッチ・ライブリー氏、現レッドソックスのクリス・マーティン投手。3人は2014~17年までの間に日ハムに在籍し、通訳を務めていた水原容疑者のサポートを受けていた。

クロッタ氏は春季キャンプが始まるまでの3週間に水原容疑者からさまざまなことを教わったという。記事では「ミズハラは地下鉄カードの買い方と街の回り方を教えた。来日して最初の週にはスーパーマーケットに何度か連れていき、何を食べ、何を料理するのが好きか伝え、通路の歩き方を教わった。店の中を歩き回り、ミズハラは忍耐強く陳列のシステムや日本語のラベルの翻訳をして回った」などと手厚い対応を受けたことを紹介している。

また、水原容疑者にさっぽろ雪まつりに連れていってもらったことや、息子のために円山動物園のチケットを手配してくれたこと、病院に付き添ってくれたことも触れられており「イッペイがいなければ僕は完全に路頭に迷っていた。野球だけでなく、日常生活でもだ」と語っている。

口座開設の手助け、妻の妊娠に付き添ってもらったエピソードも

ライブリー氏も水原容疑者に対しては「彼は僕にとって日本での生命線だった。通訳は、完全に自分の延長なんだ。コミュニケーション手段も書類の作成方法もない。彼らなしでは生きられないんだよ。僕は彼らを友人として見ていた。従業員としてではなくね」と信頼を寄せていた。記事では「地元の銀行に連れていき、給与の振り込まれる口座開設を手助けした」といったエピソードにも触れている。

水原容疑者とは帰国してからも連絡を取っていたというライブリー氏だったが、この一件が報じられてからはそれもなし。記事では「殺害の脅迫に対処するのに忙しいんじゃないかと思う」「彼がギャンブルについて話しているのを一度も聞いたことはなかった」といったコメントも明かされた。

妻のダニエルさんが妊娠した際に水原容疑者に病院まで付き添ってもらったというエピソードも明かし「イッペイに全幅の信頼を置いていた。絶大な信頼だよ」と語っていたのはマーティン。今回の一件で取材を受けた際には「妻と僕は、いくつものニュースでイッペイの顔を見て、お互いを見つめて『これは驚いた』って言っているんだ。僕らはショックを受けている」と語った。

さらに「窃盗というのに混乱させられるんだ。もちろん人は変わるものだけど、その部分が理解できないんだ」と事件に驚き。水原容疑者に恩がある助っ人たちにとって、今でも信じられないといった様子だ。

THE ANSWER編集部

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