【F1】大混乱の中国GP 超異例のドライバー会議〝ドタキャン〟で広がる波紋

王者マックス・フェルスタッペン(左)はスプリント予選4位に終わった(ロイター)

F1中国グランプリ(GP、20日=スプリント、21日=決勝)が19日に開幕したが、アクシデント続出で波紋が広がっている。

初日はフリー走行1回目とスプリント予選が行われたが、コース上で2度にわたって火災が発生。これによりスケジュールがずれ、悪天候が重なった。5年ぶりの開催でかねて不安視されていた路面は厳しい状況になり、スプリント予選で4位に終わった王者マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は「まるで氷の上を走っているようなものだった」と不満をあらわにするほどだった。

さらに混乱は続く。英メディア「GPファンズ」は「中国での大騒動を受け、FIA(国際自動車連盟)が重要なドライバーズミーティング(会議)を中止した」と報じた。

F1ではGPが開催される週末の金曜日、フリー走行が終わった後に必ずドライバーズミーティングが開催される。これは形式的なものではなく、走行を実際に行って得た情報や、コースの問題点などを議論する重要な場で、無断で途中退席した選手には高額な罰金が課された例もある。

しかし、今回は「大混乱のセッション終了からわずか数分後、FIAはスプリント予選終了から1時間半後に開催予定だったドライバーズミーティングをキャンセルしたと発表した。この会議には全てのドライバーとチームマネジャーが出席する予定だったが、今週末のレースディレクターを務めるニールス・ビティッチが中止を決定。現段階では理由は不明だ」と突如、開催中止に。レースの運営にあたって必要不可欠な場が、いきなりドタキャンされるのは極めて異例の事態だ。

路面に加えられた変更がタイヤ供給メーカーであるピレリの担当者も把握していなかったことが明るみになるなど、不測の事態が続出する中国GP。同メディアは「中国で大惨事を引き起こす」と警鐘を鳴らしたが…。レースが無事に行われ、ドライバーの安全が確保されることを願うばかりだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社