小池百合子都知事がヤジ超えた妨害行為に怒り 警察が〝実行犯〟に警告も効果薄

お手上げ!?

〝ヤジ〟では済まなくなっている。衆院東京15区補選では候補者の演説中にほかの候補者が突撃してくることが問題化している。

19日、小池百合子東京都知事は定例記者会見で「スタッフも命の危険を感じる場面があった。これまでに経験したことがない選挙妨害が発生している」と憤った。

小池氏は作家の乙武洋匡氏の応援演説のために選挙区入り。告示日には「つばさの党」から出馬する根本良輔氏が街頭演説に殴り込みをかけ、大音量で乙武氏の女性問題等に関するヤジを行っていた。

さらに、つばさの党関係者は小池氏の自宅前でも街宣活動を行っており、小池氏は「ご近所にも迷惑をかけることになっている。選挙活動の一環ならその範囲を逸脱している」と訴えた。小池氏の自宅は15区内ではない。

ある陣営の関係者は「『ヤジ』と言いますが、ヤジっていうのは〝議会の華〟とも表現されるものです。彼らがやっているのはヤジですらないレベルのものです」と苦々しく語った。いいヤジはユーモアがあり、議会の活性化に役立つこともあるとされている。

一方、つばさの党代表の黒川敦彦氏は「X」で警察から「警告」を受けたと公表。それでもカーチェイス街宣と称して他陣営の街宣に突撃すると宣言している。

これにより街宣がステルス化しつつある。この東京15区補選では街宣予定を事前まで公開しない陣営も出てきており、候補者の訴えを聞きたい有権者にとって弊害も出ている。前出の陣営関係者は「続くようであれば法的な対応もあり得る」と話した。

小池氏は会見で「お金の問題も見直しをやっていこうという流れになっているが、選挙のあり方についても法律上、もう一度見直していただけないか」と国に要望したが、今回の選挙ではカーチェイスが続きそうだ。

東京15区補選には乙武氏と根本氏のほかに立憲民主党の酒井菜摘氏、日本維新の会の金沢結衣氏、参政党の吉川里奈氏、元自民議員で無所属の秋元司氏、日本保守党の飯山陽氏、無所属の須藤元気氏、NHKから国民を守る党の福永活也氏が出馬している。

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