【広島】得点力不足は「ウチだけじゃない」 長打力補完へもくろむ『一、三塁地獄』の徹底

ベンチから檄を飛ばす広島・新井監督

広島は19日の巨人戦(マツダ)で延長12回を0―0のまま終え、今季初めて引き分けた。

まだ開幕17試合目ながらも、攻撃陣は軌道修正を余儀なくされている。チーム打率はリーグ5位の2割2分8厘、本塁打は同最下位の4本。開幕早々からシャイナーとレイノルズの両助っ人は故障で離脱に追い込まれ、昨季11本塁打の和製大砲・末包も1月末に左膝負傷を患って大きく出遅れている。

慢性的な長打力不足に陥っているのは一目瞭然だ。ところが実際のところチーム内は、そこまで悲観的になってはいないようだ。チーム関係者は「打ててないのはウチだけじゃない。ほかのチームを見ても、今年はロースコアが多い」と指摘し、現在の状態でも「救いはある」という。同関係者は「首位の中日もそこまで点を取って勝っているわけじゃない。球界的にも今年はそういう傾向。いかに接戦を勝ちきれるか」とも続けている。

ここまで総得点62でリーグ1位を誇るヤクルトを除き、各チームの1試合当たりの平均得点は3点台以下。ワンチャンスで、いかに点数を確実に量産できるか――。そのキーワードを軸に朝山打撃コーチは選手たちに対し、攻撃中は常にお膳立てを徹底させる意味において〝一、三塁地獄〟の重要性を説いているという。

同コーチは「単打や四球でつないで、足を絡めて。打線はつながりと足を絡めて何とか、早めに2、3点。そのために攻撃は、なるべく(相手にとっての)〝一、三塁地獄〟を作れるようにと。どこも本塁打は少ない。つないで動いて点を取らないと」と力を込める。確かに10日の阪神戦では2回に二死一、三塁から波状攻撃を畳みかけ、この回一挙5得点のビッグイニングをつくった。

それだけに今後も〝再現〟が待たれるところ。何とかしたい。

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