坂本冬美の『モゴモゴ交友録』安住紳一郎(50)……日本レコード大賞でガチガチに緊張する私においうちをかけた “いたずら心”

坂本冬美、安住紳一郎

安住紳一郎さん、ご結婚おめでとうございます! 50歳まで独身貴族を貫き、結婚とは遠いところにいらっしゃる方だとばかり思い込んでいましたから、もうビックリです。

でも、もっと驚いたのは、羽田空港でどのお弁当を買うか悩んでいた奥様を「おもしろい人だなあ」と、ず~~~~っと見ていて、声をかけたのが知り合うきっかけだったというエピソードです。これって言葉を変えると “ナンパ” したってことですよね!? あの安住さんがナンパ? 意外です。意外すぎて、思わずなぜか拍手しちゃいました。

安住さんとプライベートでお会いしたことはありませんが、あやちゃん (藤あや子)とのコンビで、安住さんが司会を務められる『ぴったんこカン・カン』に何度も呼んでいただき、一緒に楽しい時間を過ごさせていただきました。

最初は……高原リゾート清里・小淵沢グルメ旅行です。八ヶ岳にあったあやちゃん のギャラリーでいただいたコロッケカレーは絶品でした。

2度めは、わたしの故郷、和歌山県南紀白浜。わたしの手料理を振る舞いたいと悪戦苦闘したものの……モゴモゴモゴです(笑)。

3度めは、あやちゃん の故郷、秋田県角館(かくのだて)。小学生時代のあやちゃん を撮影したことがあるというお店のご主人が登場しました。秋田は美人さんが多いということで有名ですが、あやちゃんは小学生のころからもう、その片鱗があったんですね。それに比べて、わたしの小学生時代の写真は……神様は不公平です(苦笑)。

4度めが秋の京都で、5度めが2回にわたって放送された佐賀・福岡の旅。そしてそして、6度めが安住さんの故郷、北海道です。

毎回、カラオケを歌わせていただいているんですが、なんとこのときは、ピンク・レディーの『ペッパー警部』を振りつきで披露。放送を観て気持ちが悪くなったという方がいらしたら、ごめんなさいです(笑)。

よく食べ、よく飲み、お話はウイットに富んでいて、時々ピリリと辛いジョークをさらりと口にされる安住さんは、いたずらを仕掛けるのも大好きです。

わたしが「やられた!」と思ったのは、第53回日本レコード大賞で最優秀歌唱賞をいただいたときのことです。

賞をいただいた楽曲『おかえりがおまもり』は、SMAPの『夜空ノムコウ』をはじめ、数多くのヒット曲を手がけられている川村結花さんに作詞・作曲をお願いしました。この歌は、2011年1月31日から4夜連続で放送され、倉本聰さんが案内役を務められた『風がはこんできたもの~音楽の原風景~』のためだけに作っていただいたものでした。

ガチガチに緊張し、一刻も早く歌い終えて楽になりたいというわたしを見て、リラックスさせようと思ってくださったのか、それともいつものいたずら心がムクムクと頭をもたげたのか、本当のところはわかりませんが、はやるわたしに安住さんがマイクに向かって言った台詞はーー。

「冬美さん、わかっていますか。最優秀歌唱賞というのは、歌唱力がもっとも優れた歌手に贈られる賞ですからね。冬美さんの歌唱力がもっとも優れているということですよ」

………。

もう、です。

安住さんの顔にかすかな笑みが浮かんでいたような気がしたのは、わたしの思い違いでしょうか。

繰り返しになりますが―安住紳一郎さん、ご結婚本当におめでとうございます。心より、心より、心より、お祝い申し上げます。

さかもとふゆみ
1967 年3月30日生まれ 和歌山県出身『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、最新シングル『ほろ酔い満月』が好評発売中!

写真・中村 功
取材&文・工藤 晋

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