南野陽子に“不義理”してしまった思い出…正月ハワイの出待ちで誰も気づかずスルー(城下尊之)

南野陽子(C)日刊ゲンダイ

【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】

1985年にデビューしたナンノこと南野陽子(56)がデビュー40周年を来年に控え、6月26日に音楽番組の出演シーンを収録したブルーレイBOX「南野陽子 ザ・ベストテン コレクション」を発売すると報じられた。40周年を記念したファン向けの企画も考えているとのコメントもあった。

昨年のことだが、2011年に結婚した元夫が業務上横領容疑で逮捕され、その後に離婚となった。元夫は結婚当初から女性問題や金銭問題が噴出していて、また南野のネームバリューを利用して自分の仕事を広げていたように見えた。

芸能マスコミの人間は性格のいい彼女のファンが多い。そのマスコミの間でも「すぐに離婚するだろう」とみられていたし、関係者の一部も「夫の評判で仕事に影響が出そう」「早く離婚してもらったほうがいい」などと漏らしていたほど。しかし南野は「私が信じなければ……」と耐えていた。

もともと南野は自分で「晩婚」だと言っていて、困った夫だと思っていながら「添い遂げたい」という思いが強かったらしい。辛抱強く12年も結婚生活を続けたが、昨年の逮捕でようやく諦めて離婚となった。

それから心機一転、再スタートということを耳にして、僕はうれしい気持ちになった。

実は30年近く前、僕は南野に“不義理した”ことがある。その頃、毎年正月にハワイのホノルル空港(当時)で、正月休みに旅行する芸能人の取材を担当していた。

連日、空港の旅客出口で日本のマスコミ各社と張り込みをしていると、そこへテレビ朝日の取締役にまでなった故・皇達也さんが顔を出した。

「おっ、城ちゃんまでいたのか」

そして皇さんはこう続けた。

「おまえらダメじゃないか、きのう南野陽子が到着してここを通ったんだ。彼女は取材があると思って飛行機の中でメークまでして降りたんだが、通りかかっても誰も気づかなかったそうだ。通り過ぎてから振り返り、『南野です』というのも恥ずかしいから、そのまま車で移動したそうだが、すごく落ち込んでいたぞ」

皇さんは当時、家族ぐるみで南野と付き合いがあり、ハワイ旅行も面倒を見ていたらしい。

聞けば、芸能人があまり搭乗しない早朝の便で到着したそうで、僕ら取材陣は寝ぼけ眼で見逃してしまったようだ。

彼女のことだから、おそらく気の利いたコメントを用意してくれていただろう。次のチャンスに謝ろうと思っていたが、その機会のないまま今に至っている。

一方、スッピンだからといって旅客出口で見逃されるわけでもない。スッピンだからバレないと思っていた岡本夏生に声をかけたら、両手で顔を隠して「撮らないで~」と叫んで逃げて行ったこともあった。

(城下尊之/芸能ジャーナリスト)

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