小池都知事は「カイロ大卒」について国会議員時代は何と言っていた? 学歴詐称疑惑はいよいよ佳境に

いよいよ正念場(C)日刊ゲンダイ

「稀代のペテン師」か、それとも「世紀の大誤報」となるのか。

“権力と寝る女”、“政界渡り鳥”などと言われた東京都の小池百合子知事(71)の「カイロ大卒」という学歴詐称疑惑の展開に再び注目が集まっている。

浮上しては消え、あやふやなままだった小池知事の学歴詐称疑惑だが、地域政党「都民ファーストの会」元事務総長の小島敏郎氏(75)が、月刊誌「文藝春秋」(2024年5月号)で「(小池氏の)学歴詐称疑惑の隠蔽工作に加担した」と告発し、再燃した。

小池都知事の元側近で、法曹資格もある小島氏が爆弾証言したからには、これまでのように尻すぼみで終わる展開は考えにくい。過去に静観してきた大手メディアも重い腰を上げるだろう。

「カイロ大卒」の真偽について都議会で何も語ろうとしない小池知事だが、国会議員時代にはどう説明していたのだろうか。

国会会議録を検索すると、小池氏自身が「カイロ大卒」と発言しているくだりは見つからない。代わって明確に「卒業」と言い切っていたのは、元法務大臣で、現在、小池知事の政治団体「百乃会」の代表兼会計責任者を務める杉浦正健氏(89)だった。

2002年4月18日の衆院安全保障委員会で、当時、外務副大臣の杉浦氏は中東情勢をめぐる質問をした小池氏(知事)に向かってこう切り出している。

「まず、小池先生におかれましては、カイロ大学を御卒業ということもございまして、アラブ、イスラエル、あのあたりの問題については大変な理解者であり権威でいらっしゃる」

カイロ大を卒業し、かつ、中東情勢の理解者であり権威もある人——。外務副大臣から、こう持ち上げられれば、さすがに卒業していなければ「いやいや」と否定するだろうが、小池氏(知事)はノーリアクションだった。

■アルカイダ首謀者ザワヒリを「同級生」と呼んでいた

「カイロ大を首席卒業」という立派な肩書が事実であれば、あらゆる場面でアピールしたいのが政治家の本能だろう。「緑の狸」などと言われ、目立つことが大好きなどと評されてきた小池知事の政治スタイルとも重なる。ところが、国会議員時代の小池氏は学歴について踏み込んだ発言をしていない。「卒業」ではなく、「母校」「同級生」という別の単語で「カイロ大卒」をほのめかす場面が目立つ。

「先週、私は、エジプトのカイロの方に行ってまいりまして(略)私の母校であるところの大学の方で記念講演をしてまいったのですけれども、先生の今の大学も大変な学生数でございますけれども、私がおりましたころに既に10万人の生徒数、それが、20数年後の先週参りまして伺ったのが、何と22万人の生徒数でございまして」(2001年2月22日の衆院憲法調査会)

「テロリストとの対話ができればこれにこしたことはないというように思うわけでございますが、なかなか、ウサマ・ビンラディンの生存そのものが確認されていない、またナンバーツーのザワヒリ、彼も死亡説が流れておりますが確認がとれていない。友人の友人がアルカイダという方が以前おられましたが、ザワヒリ氏とは、氏と言っていいのかな、ザワヒリと私はカイロ大学の同級生でございますが、連絡先は存じ上げておりません」(2008年10月17日の衆院国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会)

小池都知事がカイロ大に留学して在籍していたのは事実だ。仮に卒業していなかったとしても、小池都知事にとって同大は「母校」であり、共に学んだ知人・友人は「同級生」という認識は間違いとも言えない。

ちなみにテロ組織アルカイダの首謀者となり、2022年にアフガニスタンで米軍に殺害されたザワヒリはカイロ大医学部卒だったが……。

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