専門家が解説 愛媛・高知の地震とインドネシアの火山噴火は「南海トラフ地震」と関係あるのか

愛媛・高知で震度6弱(C)共同通信社

17日午後11時14分頃、愛媛・高知県で震度6弱の地震が発生した。震源は、愛媛県近くの豊後水道で震源の深さは約39キロ。マグニチュード(M)6.6だった。気象庁は、南海トラフの巨大地震の想定震源域であるが、メカニズムが異なることから、巨大地震に繋がるとはいえないとの見解を示している。

しかし、この地震の2時間前にはインドネシアのルアン島のルアン火山(725メートル)で大規模噴火が発生し、1万1000人超に避難を呼びかける事態が起こっている。日本に津波の被害はなかったが、関係はあるのだろうか。立命館大学環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏が言う。

「いずれもフィリピン海プレートの影響によるものです。現在、同プレートを押している太平洋プレートが活発化しています」

愛媛と高知の地震の震源となった豊後水道は、2つのルートで大地震に至る可能性があるという。

一つは、今年の能登地震の震源から、鳥取→広島→豊後水道へ続く断層による影響、二つ目がもともとの南海トラフ巨大地震のメカニズムによる影響だ。

「どちらのルートでも、豊後水道には、陸側のユーラシアプレートの下に海側のフィリピン海プレートが沈み込んで、それをさらに太平洋プレートが押している構図です。今回は、ユーラシアプレートが途中で割れたため、震度6弱程度で収まりましたが、ユーラシアプレートが耐えて大きく跳ねあがっていたら、巨大地震になっていた可能性があります。すでに南海トラフはいつ起きてもおかしくありません」(前出の高橋学氏)

約100年周期とされる南海トラフの巨大地震は2035年前後までに起こると予測されるが、能登半島や台湾地震も予測とは別に突然発生している。注意が必要だ。

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