みなみかわが「今日-1グランプリ」で暴露!“ネタ製造者”かもめんたる・槙尾ユウスケが愛されるワケ

かもめんたるの槙尾ユウスケ(C)日刊ゲンダイ

4月1、8日の深夜、2週連続で「今日-1グランプリ」(テレビ東京)が放送された。収録日の午前0時以降にゲットしたエピソードを21時からスタジオで披露し合うトークバトルの特番だ。

出演者は、ウエストランド、お見送り芸人しんいち、チャンス大城、真空ジェシカ・ガク、わらふぢなるお、街裏ぴんく、ランジャタイ・国崎和也、みなみかわの10人。地下ライブを思わせるメンバーだが、その“顔なじみ”な空気感こそが面白さにつながっていた。

トークの順番は名前の書かれたルーレットを回して決定。つまり、システムは完全に「人志松本のすべらない話」(フジテレビ系)だ。これにしんいちが「サイコロとかは怒られるから?」と素朴な疑問を投げかけると、ウエストランド・井口浩之は「トークのしゃべり出す順番決めるなんてすごい斬新じゃないですか」としらばっくれる。

続いてみなみかわが「しゃべり終わった後に“今日-1”ってポッて」と本家のハンコが飛んでくるマイムを見せ、国崎が「今日やんなぁ~」と悪ノリし、最後に番組セットの肖像画がないことをイジるまでの一連の流れは、長年のチームワークを思わせた。

■芸人としての真骨頂

とくに印象的だったのは、みなみかわが語ったかもめんたる・槙尾ユウスケの話だ。「ラヴィット!」(TBS系)に出演後、芸人界の“ネタ製造者”である槙尾が経営する店「カリガリ マキオカリー」を訪問したみなみかわ。カレーを食べ終わると、午後に舞台の稽古があるという槙尾から「見学来る?」と誘われたという。

人気劇団・ヨーロッパ企画の稽古ということもあり、みなみかわが「行っていいんですか?」と躊躇すると槙尾は「俺が言ったら大丈夫だよ」と即答。出演者の知人が急きょ見学に訪れるのは「けっこうあるある」だと強気な姿勢を崩さない。

そういうものかと思い同行したが、いざ稽古場の前に到着すると槙尾が送ったLINEに関係者からの返答はなし。この時点でみなみかわは“あるあるではない”と悟ったらしい。

10~20分ほど待機し、ようやく稽古場に通されると、その後3時間ほど緻密な稽古が続いた。さまざまな演者が入れ代わり立ち代わりで長ゼリフを吐く中、槙尾の出番は「いい勝負だ!」の一言のみ。見学のみなみかわと同じく、ほぼ椅子に座り稽古を見守っていたという。

後輩に虚勢を張った後の体たらくに槙尾という芸人の真骨頂を見た気がした。

優勝者は夢で巻き起こる展開と眠っている写真とのギャップで笑わせた、わらふぢなるお・ふぢわら。収録日3月12日に誕生日を迎えたダイアモンド✡ユカイが審査員を務める、という演出も秀逸だった。ぜひ第2弾にも期待したいところだ。

(鈴木旭/お笑い研究家)

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