中国の約半数の都市が「沈下」している、16%は年1センチ以上―シンガポールメディア

中国の半数近くの都市の地盤が中程度から重度の沈下を呈しているとの研究結果が示された。

中国の半数近くの都市の地盤が中程度から重度の沈下を呈しているとの研究結果が示された。シンガポールメディア・聯合早報が伝えた。

科学誌サイエンスに掲載された華南師範大学の研究チームによる報告によると、中国の都市部の土地の45%が年3ミリ以上の速度で沈下しており、うち16%は年10ミリ以上沈下している。主な原因は地下水位の低下と高重量の建築物だという。

報告では、中国の都市部の人口がすでに9億人を超えており、わずかな沈下でも都市生活に重大な脅威となる可能性があると指摘された。こうした沈下はすでに中国に年間75億元(約1600億円)を超える損失をもたらしており、来世紀中には沿岸部の土地の4分の1近くが海面より低くなり、洪水のリスクも高まるという。

人口1500万人を抱える天津市は最も被害が大きい都市の一つとされ、2023年6月には市内の住宅地で地盤沈下による地面の亀裂で4000人近くが避難した。また、内陸部でも石炭の過剰採掘によって同様の状況が発生しており、地元政府はしばしば崩れかけた鉱山にコンクリートを注入して補強しているという。

英イースト・アングリア大学の気候問題専門家は「中国にとってこれは全国的な問題だ」と指摘すると同時に、世界的な問題でもあるとの見方を示した。今年2月の報告によると、地盤沈下のリスクにさらされている土地は世界で約630万平方キロに及び、特にインドネシアの首都ジャカルタの大部分はすでに海面よりも低くなっているという。(翻訳・編集/北田)

© 株式会社 Record China