松本幸四郎「親子で芝居する恥ずかしさはない」山田純大・北村有起哉と“偉大な父”について語る

4月21日(日)の『ボクらの時代』は、歌舞伎役者の松本幸四郎さん、俳優の山田純大さん、北村有起哉さんが登場します。
父も偉大な俳優という共通点がある3人が、子供の頃に感じていたことについて語りました。

【写真】山田純大、松本幸四郎、北村有起哉

役者の父のもとに生まれて…

歌舞伎役者の松本白鸚さんを父に持ち、『十代目 松本幸四郎』を襲名した幸四郎さん。

『遠山の金さん』など時代劇を中心に活躍してきた名優、杉良太郎さんを父に持つ山田さん。そして、文学座の名優、北村和夫さんを父に持つ、北村さん。

北村:
僕ら共通しているのは、生まれて育って、途中から段々「なんか違うことをやっているっぽいぞ、うちの父は」というね。月曜日に出勤して5時くらいに終わって、土日が休みという仕事じゃないし。

山田:
確かにね。テレビに(父が)映っていると、昔はよく手で取りにいった。
「なんでこの小さい箱(テレビ)にうちの家族がいるんだろう」と、不思議な感じがしていた。

幸四郎:
親父に「今、何やっているの?」って聞くと親父は『今、弁慶』とか(僕は)『お姫様』とか(笑)

北村:
役ね(笑)

幸四郎:
昔、「桜姫東文章」というのを父とやっていたときに、僕がお姫様で父がそこにしのんで来て襲うという場面があったんですよ。

北村:
とんでもないね(笑)

幸四郎:
とんでもない(笑)
つかまえて、「あれ~」と親父が帯をほどいて顔と顔が近づく瞬間に幕が下りるんですけど、下りた瞬間が一番気まずいんですよね。「なにやっているんだろう、親子で」って(笑)

山田:
特殊だよね。小さい頃からやっているから、それが普通。そういう環境で育っているからね。

幸四郎:
親子で芝居する恥ずかしさみたいなのは、ないですよね。

山田:
俺の場合は小さいとき、舞台を見に行って、父親が斬られて死んでいくという舞台で…今でも覚えているけど、6歳か7歳くらいのときだったから、斬られて血を噴いている芝居をしている父を見て「パパが死んじゃう!」って、一番後ろからかけていって「パパを殺すな~」って(笑)
みんなに抱えられて『やめなさい』って言われて外に出された記憶がある。

幸四郎:
そうなんだ(笑)

北村:
僕もその頃、親父がシェークスピアの「オセロー」をやっていたときに、僕は全く覚えていないんだけど、最後、デズデモーナ(主人公・オセローの妻)を嫉妬に狂って殺しちゃって、奥さんにチュッチュするシーンがあった。
シーンとしてお客さんも泣いている良いシーンなんだけど、口づけをするのを親父が何度も何度もしていたみたいで、余計に(笑)

山田:
(笑)

幸四郎:
余計に!?(笑)

北村:
「もう一度」って言ってチュッ、「もう一度」って言ってチュッとしていて。
それを見て僕もプチっとキレたみたいで、『やめろ~!』って叫んで。

幸四郎:
叫んだ!?(笑)

山田:
本番中に!?(笑)

北村:
そしたら親父もビクッとなった。隣にいたおふくろが俺の口をバッとふさいだ(笑)

山田:
分かる、分かる!(笑)

ほかにも、幸四郎さんが悩んだ歌舞伎界の襲名の話、北村さんの初めての映画出演での雑用話、山田さんの海外育ちならではの苦労話など、さまざまな話題を展開します。

© 株式会社フジテレビジョン