2019年以来、5年ぶりの開催となった今年のF1中国GPは、同時に今シーズン初となるスプリント・フォーマットによって開幕した。
今年で4シーズン目となったスプリント・フォーマットだが、昨年からいくつかの変更が施されている。まず、金曜日のフリー走行後に行われるセッションが、日曜日のレースのグリッドを決める『公式予選』から、今年は『スプリント予選(昨年のスプリント・シュートアウトから名称も変更)』となった。
土曜日の最初のイベントとして『スプリント』が行われ、その後『公式予選』が行われる。この変更は、主にパルクフェルメ・ルールを見直すために行われた。F1では予選でコースインした瞬間から基本的にセットアップの変更ができなくなるパルクフェルメ・ルールが適用される。昨年のスプリント・フォーマットでは金曜日にフリー走行を1回走っただけで予選となっていたため、そこでセットアップを失敗すると、残りの週末は厳しいものとなっていた。
それが今年は、スプリント予選でコースインした瞬間に一度パルクフェルメ・ルールが適用されるが、土曜日のスプリントのスタートが切られた瞬間にそれは解除され、スプリントが終了してから、予選でコースインする瞬間まで再びセッティング変更を行えるようになった。
そんな状況のなかで行われた金曜日のフリー走行1回目でマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスは3番手と4番手でたった1回の練習走行を終えた。フェルスタッペンは「ドライでのマシンのフィーリングはとてもよかったから、セットアップには満足していた」と語っていた。
フェルスタッペンが言う通り、スプリント予選でもSQ1を3番手で通過したフェルスタッペンは、SQ2もトップタイムで突破した。
状況が変わったのは、SQ2の終盤から雨が降り始めたときだった。
「信じられないほど滑りやすく、タイヤの温度を上げるのに苦労した。クルマのスイッチも入らなかったし、まるで氷の上を走っているようだった」
そう語ったフェルスタッペンはSQ3で何度もコースアウトしながらも、なんとか4番手を確保。ペレスは6番手に終わった。
問題は土曜日の天気だ。もし、土曜日のスプリントがドライだったら、SQ2で1-3体制だったレッドブル・ホンダRBPTは、スプリントで逆転する可能性は高い。逆に土曜日のスプリントがウエットコンディションで行われるようなことになれば、スプリントまではセットアップを変更できないレッドブルの2台にとっては、厳しい走りを強いられることとなるだろう。
新しいスプリント・フォーマットで行われる中国GP。2日目は天候が鍵を握りそうだ。
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