小学校教員、確保へ懸命 低倍率続く採用試験、県教委が実施要項公表

 県教育委員会は19日、2025年度採用の県公立学校教員選考試験の実施要項を公表した。近年は志願者の減少傾向に歯止めがかからず、特に小学校教員は近年、採用見込み数に基づく倍率が1倍台で推移している。県教委は大学3年次に1次試験の一部を受けられる特別選考を新設するなど、志願者の確保へ懸命だ。

 教員のなり手不足は全国的な課題で、本県の志願者数の推移は表の通り。2015年度採用は1239人だったが、24年度は782人まで減少した。特に採用見込み数が多い小学校は20年度以降、倍率が1倍台で推移している。

 県教委は25年度の試験に向け、小学校では、これまで大学4年次に1次試験として受けていた「教職教養・一般教養」を3年次に受験可能とする特別選考を新設した。一般選考や大学推薦特別選考の1次試験は、新たに東京に試験会場を設ける。

 このほか、同特別選考では推薦対象となる校種や教科、科目ごとの大学の枠を原則1人から5人に増やした。県外の現職教員がUターンなどにより本県で出願する際の年齢制限をなくした。

 県教委はこうした受験者や受験機会を増やす工夫に加え、育休取得推進など教員の働き方改革、新採教員の支援体制などもアピールしながら、志願者確保につなげたいとしている。

 採用見込み数は▽小学校(小学校英語を含む)約180人▽中学校約85人▽特別支援学校約30人▽高校(教諭・助教諭)約35人▽養護教諭約10人▽栄養教諭若干名。出願は原則、県の電子申請システム「やまがたe申請」から。受付期間は4月22日~5月12日。試験は第1次が7月13日、第2次が8月27~29日。

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