華やかに「練り嫁行列」 熊本・玉名市の伊倉北八幡宮 晴れ着姿で五穀豊穣を願う

晴れ着姿で練り歩く伊倉北八幡宮の練り嫁行列=14日、玉名市

 熊本県玉名市の伊倉北八幡宮で14日、春の大祭があり、晴れ着姿の子どもや女性が五穀豊穣[ほうじょう]を願って練り歩く「練り嫁行列」が沿道を彩った。

 若い女性を人身御供として差し出さないと、作物を荒らす怪物を旅の僧が退治。謝意を示すため、女性たちが宮参りをするようになったという伝承に由来する。

 行列は氏子が地区ごとに持ち回りで出しており、今年は川島区から家族連れら約100人が参加。汗ばむ陽気の中、笛や太鼓に合わせて神社までの約800メートルをゆっくりと進んだ。子どもみこしも花を添えた。

 例年、通りを挟んで並ぶ伊倉北八幡宮と伊倉南八幡宮のそれぞれの氏子地区が行列を出していたが、今年は南八幡宮側の地区が、子どもが少ないため実施を見送った。両八幡宮は創建時に一つだったが、鎌倉時代に分かれたという説がある。(伴哲司)

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