ダリ生誕120周年で企画展 福島県北塩原村の諸橋近代美術館 唯一現存、母親の肖像画など125点

多彩なダリの作品を楽しめる展示会

 福島県北塩原村裏磐梯の諸橋近代美術館で20日、スペインの芸術家サルバドール・ダリ(1904―1989年)の生誕120周年に合わせた企画展「サルバドール・ダリ―天才の秘密」が開幕する。収蔵作品を中心に油彩、オブジェ、版画など125点を展示する。作品を通じ、ダリの芸術家としての一面、人間としての繊細な内面を知ることができる貴重な機会となる。

 3章構成で、ダリが描き唯一現存する母親の肖像画「画家の母の肖像」をはじめ、米国がビキニ環礁で行った水爆実験を題材にした「ビキニの3つのスフィンクス」など貴重な作品が並ぶ。一部は会期中に入れ替える。

 ダリが一時、加入していたシュルレアリスム(超現実主義)グループの画家の作品もあり、描写が細かく写実的なダリと他作家の表現の違いを見比べることができる。クラウドファンディングで集まった資金で修復したダリの油彩画「キャバレーの情景」「リャネの野菜畑/庭の少女たち」も展示している。

 9月1日まで。入館料は大人1500円、高校・大学生600円、中学生以下無料。問い合わせは美術館 電話0241(37)1088へ。

 諸橋近代美術館は今年、開館25周年を迎える。諸橋英二館長は「今後50年、100年と思い出に残る美術館にしていく」と話した。

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