サクランボそっくりのバウムクーヘン 米沢・牧野洋酒店が開発

サクランボの見た目、味、香りを再現したバウムクーヘン(牧野洋酒店提供)

 業務用酒販店の牧野洋酒店(米沢市、牧野淳一社長)が、サクランボの形をして味と香りも再現したバウムクーヘンを開発し、20日、県内の道の駅で販売を始める。バウムクーヘン製造販売は、新型コロナウイルス禍で酒類の売り上げが減少し、打開策として始めた新規事業。同社は「地域の材料にこだわり、山形を代表するお土産に育てたい」としている。

 商品名は「YAMAGATA FRUITS BAUM(ヤマガタ フルーツ バウム) さくらんぼ」。牧野社長(47)と、妻で製造責任者の真由美さん(47)が、県内外で桃やスイカなど果物そっくりなバウムクーヘンを目にし、「サクランボで挑戦しよう」と開発に乗り出した。

 サクランボ一つの大きさは直径5~5.5センチ。焼き上がった生地に成型板を角度を変えながら当て、何層にも生地を重ねることを繰り返し、手作業で形を整える。県産小麦、米沢市産の卵を使い、味や香りは王将果樹園(天童市)のさくらんぼ100%ジュース、県産佐藤錦の菓子用ペーストを使い再現した。

 同社は飲食店や旅館、道の駅、冠婚葬祭会場などを相手に酒、食品、乾物ギフトの販売を手がけている。コロナ禍で取引先の多くが打撃を受け、同社の売り上げは4割程度減った。苦境を乗り越えようと、国のものづくり補助金を活用してバウムクーヘン製造設備を導入し、昨年から卸販売を始めた。これまでに、地元の卵や酒かすを使った商品などを発売した。商品開発では、県の補助事業を活用し、やまがた産業支援機構経営支援アドバイザーなどの支援を受けた。

 牧野社長は「今後、リンゴやラ・フランスにも挑戦し、バウムクーヘン事業を売り上げの1割を占めるまでに成長させたい」と話す。小売価格2160円。4~7月の期間限定で、道の駅米沢、道の駅天童温泉隣の産直店サンピュアで販売する。

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