銅線ケーブル4500メートル分、1900万円相当の盗難 米沢・太陽光発電施設、県内最高被害額

切断部分が盗まれた銅線の電力用ケーブル=米沢市(県警提供)

 米沢市内の太陽光発電施設で、銅線が入った電力用ケーブル約4500メートル分が盗まれたと、県警が19日発表した。被害額は時価約1900万円とみられる。県警によると、県内で同様のケーブルの盗難では過去最高額という。資材高騰の影響で、同様の被害が全国的に相次いでおり、県警は売却目的にした広域窃盗事件の可能性もあるとみて捜査している。

 県警捜査1課によると、今月12日午前、太陽光発電施設の管理会社担当者が、電力が流れていないことに気付き、現場を確認してケーブルがなくなっていることが分かったという。8日午後までには異常がなかったことから、この間に盗まれた可能性がある。会社側が15日、米沢署に被害届を出した。

 現場は山間部で、発電施設を囲む金網のフェンスが破壊されていた。ケーブルは送電用で、施設内の複数箇所で工具によって切断されたような形跡が確認されているという。盗まれたケーブルの重さは不明だが、相当な重量があるとみられ、複数人が犯行に関与し、車両に載せて運び出したとみられる。県警は現場付近にある防犯カメラの映像の解析を進め、犯人の行方を追っている。

 県警は2023年、太陽光発電施設で電力用ケーブルが盗まれる被害を米沢、南陽、村山の各市で2件ずつ計6件確認している。被害はいずれも6~7月に集中していた。被害総額は時価約1300万円に上る。

 全国では近年、資材高騰を背景に、関東地方などで同種の窃盗被害が相次いでおり、今回同様に人通りが少ない山間部などを狙った犯行が多い傾向にある。県内でも銅線やガードレールといった金属類が盗まれる被害が確認されており、県警は注意を呼びかけている。

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