地下鉄・東急直通から「サイレント撤退」? 西武6000系アルミ車両、今後はどこを走るか

東急東横線を走る西武6000系アルミ車両。これまで当たり前に見られた「元町・中華街」の表示は見納めとなりました

2024年4月初旬、何気なくSNSを眺めていた筆者に、多数の目撃情報が入ってきました。

それは、「西武6000系アルミ車両が、地下鉄直通運用を一斉に外された」というもの。

西武6000系は、1992年にデビューした地下鉄有楽町線直通用の車両(2013年以降は副都心線、東急東横線などにも乗り入れ)。西武で初めて、車体カラーに青色を採用しました。車体の材質は、初期の車両がステンレス、1996年以降に登場した後期の車両がアルミとなっています。

2017年に新たな地下鉄直通対応車両の40000系がデビューした後も、しばらくは6000系に大きな動きはありませんでしたが、2023年以降、ステンレス車両の一部が地下鉄直通の任を解かれ、新宿線に転属しています。今回の、アルミ車両が予告なしに地下鉄直通運用から外されたこと、いうなれば「サイレント撤退」は、それに続く大きな動きであるといえます。

ここで気になるのが、「サイレント撤退」した車両の今後。地下鉄直通の任を解かれた6000系の今後などについて、西武鉄道の広報に話を聞きました。

まず、6000系アルミ車両などが直通運用から外された理由は、40000系の導入による置き換えであるとのこと。また、40000系には座席転換できる車両とロングシート仕様の車両の2タイプがありますが(現在、前者の直通運用は「S-TRAIN」が中心)、前者を直通の一般列車に投入し、撤退した6000系の穴を埋めるかについては未定だそうです。今後、直通対応車両がいずれ40000系で統一されるのかは、その時期を含めて未定と説明。なお、6000系アルミ車両の新宿線転属については、現時点で予定はないといいます。

西武線内専用車となったいま、今後、6000系アルミ車両が地下鉄線や東急線を走ることは基本的になくなります。車両は残っても、今回のような「サイレント撤退」などで、これまで走っていた場所から姿を消すこともあるのです。世代交代により、運用範囲が変わってきている6000系。珍しさもなかった同車の直通運用も、今後は貴重なものになるのかもしれません。

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