「表現の可能性」を模索し制作 石田彩ガラス展 趣深い器が来場者を魅了/岡山・鏡野町

妖精の森ガラス美術館の本年度春期企画展「小さな世界の先へ~石田彩ガラス展~」が、岡山県鏡野町の同館で開かれている。ウランガラスや色ガラスの風合いを生かし、さまざまな形に加工した趣深い器が訪れた人たちを魅了している。7月8日まで。

岡山市にアトリエを構えるガラス作家の石田彩さんは、古代ガラスを研究してきた経験とイギリス留学で培った技術を元に研究を重ね、独自の感性が際立つ作品を発表している。2011年に同館で開催したグループ展にも出品。今回は今まで「小さな器に施す表現の可能性」について模索しながら制作してきた59点を展示。

土台を丁寧に削りながら凹凸をつけた「削出切子杯」、3層に重ねた色ガラスを研磨して繊細なグラーションを作り出した「色層硝子杯」など、会場には切子技法やサンドブラスト加工といった技術を用いた秀作が並ぶ。

同館の三浦和学芸員は「留学を機に作風を変えた石田さん。一つひとつ見比べて作風や色合い、形の違いを楽しんでほしい」とPRしている。

開館時間は午前9時半~午後5時(入館4時半)、料金は一般500円、高校生400円、小中学生300円、小学生未満は無料。毎週火曜日が休館日となっている。

グラデーションの色合いが美しい色層硝子杯

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