オカムラ食品(青森市)が誤表示 中国産ダイコンを「国産」 農水省、再発防止を指示

不適正表示があったオカムラ食品工業の「ねぶた音頭」(同社提供)

 農林水産省は19日、オカムラ食品工業(青森市)が製造するダイコンや数の子などを使った漬物「ねぶた音頭」に、原産地などの不適正表示を確認したと発表した。中国産のダイコンを使用していたにもかかわらず「国産」と表示するなど、複数の不適正表示があった。健康被害は確認されていない。同社は商品の販売を停止している。同省は、再発防止策を講じるよう指示した。

 同社によると、2015年7月ごろにダイコンの仕入れを国産から中国産に変更したが、ラベル表示は国産のままになっていたという。今年2月20日に表示が異なることに気付き、同21日に自ら国へ届け出た。翌22日に自社のホームページで公表した。

 同省は2月22日~4月9日に同社へ立ち入り検査を実施。産地の表記が異なるほか、表示が義務化されている数の子の産地記載がないなど、食品表示法の違反を複数確認した。産地の誤表示があったのは22年9月から。同社は、少なくとも22年10月1日から24年2月20日までに、一般消費者に9273パック、ふるさと納税の返礼品を扱う事業者に108パックを販売した。3月13日から販売を停止しており、再販は未定。

 同社は5月20日までに農相宛てに再発防止の報告書を提出する。岡村恒一代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)は「大変猛省しております。二度とこのようなことが起きぬよう、全商品の見直しとチェック体制の強化を進めるとともに、役員を含め全従業員で食品表示制度の理解を深め、順守して参ります」とコメントした。

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