「持ち家」VS「賃貸」平均貯蓄額が多いのはどちらの世帯?

「持ち家」と「賃貸物件」では貯蓄額が多いのはどちら?

金融広報中央委員会 知るぽるとの「家計の金融行動に関する世論調査」によると、二人以上世帯における「持家」の平均貯蓄額は1587万円、中央値は500万円、「非持家」の平均貯蓄額は690万円、中央値は85万円となっています。

平均値は貯蓄額が極端に多い人がいるとその影響を受けて引き上げられてしまうため、数値を小さい順に並べたときちょうど真ん中にくる中央値を参考にしたほうがいいでしょう。

以下の表1は、同調査を基に、持家と非持家のそれぞれの世帯の貯蓄額の分布を示したものです。

表1

※金融広報中央委員会 知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](令和5年)」を基に筆者作成

賃貸物件に住んでいて「貯蓄3000万円以上」という人の割合は5.9%ですが、持ち家の場合は15.7%となっており、10%近くの差があることが分かります。また、「貯蓄ゼロ」の人の割合も賃貸物件のほうが多く、全体的に持ち家の人のほうが貯蓄があるとの結果となっています。

「持ち家」の平均貯蓄額のほうが多い理由として考えられるものは?

賃貸物件に住む場合は家賃や更新料・火災保険料などのコストがかかりますが、持ち家だと住宅ローンを組んだ場合の返済分に加え、固定資産税や都市計画税・火災保険料などの支払いが必要になると考えられます。

持ち家に住んでいる人のほうが平均貯蓄額が多い理由としては、住み始めてから発生する費用のために備えておく必要があることが挙げられるでしょう。例えば、マンションの場合は管理費や修繕積立費、戸建ての場合はリフォーム・修繕費用などが該当します。

「賃貸物件」より「持ち家」のほうが平均貯蓄額は多い

持ち家に住んでいる人と賃貸物件に住んでいる人の平均貯蓄額を比べると、持ち家のほうが多いというデータがあります。持ち家の場合は、ローンの返済や固定資産税の支払いなどがあるため、お金が貯まりにくい印象をお持ちの方もいるかもしれません。

賃貸であるか一軒家であるかに関係なく、人生のイベントや老後のために貯金は必要です。どの程度の貯金が必要であるかは、ご家庭によって異なるため、必要な額を将来に向け貯金しましょう。

出典

金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)表番号4

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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