獅子文六ゆかりの大畑旅館など巡る 宇和島・津島、約20人が町歩き

獅子文六ゆかりの大畑旅館などを巡った町歩きイベント

 獅子文六の小説「てんやわんや」のモデルとなった愛媛県宇和島市津島町岩松地区に立つ文六ゆかりの大畑旅館の閉業に合わせ14日、地区の町歩きイベントがあった。参加した約20人は、かつての繁栄をしのばせる商家などを見て回りながら、文六の足跡や地区の魅力を学んだ。

 大畑旅館の前身は大正期に岩松の大地主・小西家が建てた邸宅で、文六が終戦後約2年間を過ごした。文六が使った部屋に宿泊する文学ファンらに親しまれていたが、経営者は後継者がいないことなどを理由に閉業を決めていた。

 イベントは、閉業を惜しむ地元住民が企画し、町並みガイドの大塚志織さん(52)が案内役を務めた。地区は昨年、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されたばかり。参加者は小西本家をスタートし、明治期に建てられた元酒造場の阿部邸や岩松川と一体となった町の景観を見学した。

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