ウナギ好きには朗報? 稚魚シラスウナギ採捕量が過去10年で最多、鹿児島県内767キロ

 鹿児島県は19日、2023年度のシラスウナギ(ウナギ稚魚)採捕量が767.7キロだったと発表した。22年度に比べ2.7倍に増え、過去10年で最多だった。県内養まん業者の池入れ量は2日時点で6.1トン、国が割り当てた上限に対する充足率は75%となっている。

 県水産振興課によると、昨年12月4日に漁を解禁し、休漁を挟みながら3月31日まで計90日間あった。1215人に漁を許可し、12月は108キロ、1月275キロ、2月240キロ、3月144キロと推移した。

 県しらすうなぎ採捕取扱者協議会の皆倉貢会長(77)は「千葉や四国はあまりとれていないようだが、鹿児島は22年度よりは多く取れて値段も良かった」と安どする。

 県内のシラスウナギ採捕量は1974年の3449キロが最多で、以降は減少傾向が続く。2018年には過去最低の136キロにとどまった。

 絶滅危惧種のニホンウナギは改正漁業法により、23年12月からシラスウナギ漁の許可制度が見直され、無許可採捕の罰則が強化された。水産庁は25年12月からシラスウナギに水産流通適正化法を適用し、適正に漁獲されたことを示す情報の記録や保存を義務付ける。

〈関連=資料写真〉ライトで海面を照らし、シラスウナギを網ですくう採捕者=2023年12月4日、大崎町の菱田川河口

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