「シャンク出ろ!」の真意とは 勝みなみのメンタルコントロール術

首位と3打差の好位置で折り返した勝みなみ(撮影/村上航)

◇女子メジャー第1戦◇シェブロン選手権 2日目(19日)◇ザ・クラブ at カールトンウッズ(テキサス州)◇6889yd(パー72)

4アンダー2位から出た勝みなみは4バーディ、3ボギーの「71」にまとめ、通算5アンダー5位で決勝ラウンド進出を決めた。

首位に2打差で迎えたこの日は、出だしから25m近いロングパットを沈める“おはようバーディ”でスタート。「途中から結構『ラインに乗っているな。タッチもすごくいい感じ』って思っていたら入って。入った瞬間は『やっぱり』みたいな感じで格好つけていた」。無邪気にミラクルパットを回顧しながら、「ビックリしまくり」な内心を明かした。グリーン上の好調さに、自信は深まったとも話す。

ピンチの場面もあった(撮影/村上航)

4番(パー5)でもバーディと前半は順調なプレーだったが、雲行きが怪しくなったのは11番の2打目から。勢いよくアイアンを振ると「シャンク」し、ボールは右のブッシュへ飛んで行った。アンプレヤブルを宣言し、1罰打を科してボギーに収めたが、「3、4ホール引きずった」というほどのショック。12番(パー3)をボギーにすると、14番もボギーで後退した。

「うまく切り替えることができなくて。でも16番で、もう『シャンク出ろ!』とか思いながら、思い切って振ることを意識した。『出るんじゃないか』って怖がるよりは、『出す』イメージの方が。出そうと思っても出ないじゃないですか。それを思い出して」。縮こまれば、余計にショットがブレる危険性だってある。

グリーン上は好調な様子(撮影/村上航)

そんな切り替えが奏功したのか。うまく気持ちをコントロールさせながら16番でバーディを獲り返し、18番(パー5)は1Wでフェアウェイを捕らえてバーディフィニッシュ。首位との差は3打に広がったが、十分に優勝が狙える位置で週末に入る。

「勝ちたい」目標に向けて(撮影/村上航)

「うれしいですね。優勝争いできるのも去年はあまりなかった。勉強になることが沢山あるし、ゴルフ人生の経験にもなる。これからどんどん上手くなっていきたいし、やっぱり自分にも勝ちたい目標がある。そこに向けて今週はチャンスになるので、色んなものを吸収して。優勝も夢じゃない」。メジャーの大舞台で、プレーと言葉に頼もしさが増してきた。(テキサス州ザ・ウッドランズ/石井操)

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