有働由美子『with MUSIC』松下洸平、宇多田ヒカルも出して驚きの惨敗スタート 赤髪MCにも厳しい声の大コケ理由

有働由美子、松下洸平(C)ピンズバNEWS

4月20日、有働由美子(55)がMC、松下洸平(37)がアーティストナビゲーターを務める音楽番組『with MUSIC』(日本テレビ系/夜7時56分~)の2時間SPが放送される。

同番組は、19年半続いた『世界一受けたい授業』の後番組として13日にレギュラー放送がスタートした音楽番組。初回は、有働と宇多田ヒカル(41)のSP対談インタビュー、宇多田と椎名林檎(45)のテレビ初共演コラボ、4月17日にCDデビューした11人組ガールズグループME:Iが出演したりと、盛りだくさんの内容だった。

MCの有働は、これまでの黒髪から髪を赤く染めて大イメチェン。「生まれて初めて脱色して、『with MUSIC』仕様」にしたと話すなど、大いに気合いを感じさせたのだが、制作会社関係者はこう話す。

「結論から言うと、『with MUSIC』の初回の数字は大コケでしたね。コア視聴率(13歳から49歳までの個人視聴率。現在、テレビ界で重視されている)は、同時間帯の主要民放キー局で最下位という、少々驚きの厳しいスタートになってしまいました」

13日放送の『with MUSIC』の視聴率は、世帯5.3%、個人3.2%、コア2.1%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)。直前に放送していた嵐の相葉雅紀(41)がMCの『嗚呼!!みんなの動物園』(夜7時~)の世帯9.0%、個人5.6%、コア3.3%からも大きく数字を落としてしまったのだ。

前出の制作会社関係者はこう続ける。

「宇多田さんまで出したのに、大惨敗ですよね……。『with MUSIC』は、日テレの春の改編の目玉番組ですが、実は、制作関係者などからは“あの番組はヤバそう”という声が放送前からけっこう出ていたんです。それというのも、『with MUSIC』のコンセプトが、今の視聴者が歌番組に求めているものと違っているのでは、と言われていたんです。

音楽番組の評価、ヒエラルキーは大きく変わりつつあります。同週(4月7~13日)は、現在の音楽番組のツートップである『CDTV ライブ!ライブ!』(TBS系)と『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)が放送されていましたが、その数字からも、かつてとの違いが伝わってきます」

■現在の音楽番組は若者に目を向けてる

これまで音楽番組では、『ミュージックステーション』が絶対王者のような雰囲気があった。

しかし、4月8日放送の『CDTV ライブ!ライブ!』がコア視聴率4.0%だったのに対して、12日放送の『ミュージックステーション2時間SP』は3.7%。人気が逆転しつつあるのだ。

「若い人たちはテレビをリアルタイムで見ないと言われていますが、音楽番組は別。“推し”のアーティスト目当てにリアルタイムで見てくれる視聴者が多くて、それが結果として、若い層のコア視聴率につながる。だから現在の音楽番組では、起用されるアーティストや番組の雰囲気も若者を意識した内容にシフトしていっています。

最近の『ミュージックステーション』と『CDTV』は新進気鋭のアーティストを積極的にキャスティングし、若者世代向けに振り切った番組作りをしていると言われていますね。さらに、『CDTV』の方が番組構成、スタジオの雰囲気がより若者向けとも言われ、出演アーティストの中でも、『CDTV』を優先順位の上に取る人もいるといいます」(前出の制作会社関係者)

現在の音楽番組は若者からの支持を強烈に意識して制作されている――のだが、『with MUSIC』はそうではないようだ。

「もちろん同番組も、初回にメンバーの平均年齢18.8歳の11人組ガールズグループME:Iが出ているわけで、若い層を狙っているのは間違いない。ですが番組のメインは、元NHKでベテランアナウンサーの有働さん、大人のファンが多い松下さん。そこからも伝わってきますが、『with MUSIC』は“大人の落ち着いた音楽番組”を意識しているところがありそうです。

宇多田さんは日本のトップアーティストで、有働さんとのSP対談も貴重なものですが、音楽番組に差し込まれても、若い視聴者に刺さるとは思えないですよね。有働さんは髪を赤く染めて張り切っていますが、結果がついてこなかっただけに、“空回り”という厳しい声も出てしまっていますね……」(前同)

■『with MUSIC』は全世代を狙っている

有働と宇多田の対談企画を除くと、『with MUSIC』の番組構成は非常にシンプル。ランキング企画などはなく、出演アーティストの簡単なプロフィールを紹介し、スタジオで松下やゲスト出演者と軽くトークをしてから、パフォーマンスを披露。そして、次のアーティストへ……というものだ。

「60年間続くフジテレビの長寿音楽番組『ミュージックフェア』(毎週土曜日18時~)を感じさせる、よく言えばオーソドックス、悪く言えば大きな盛り上がりがない構成です。

そして、『with MUSIC』には、ME:IやYOASOBIなど若者向けのアーティストと、宇多田さんやナオト・インティライミさん(44)といった上の世代向けのアーティストが両方出演しています。おそらく全世代が楽しめる音楽番組にしたいのでしょうが、裏を返せば視聴層を絞り込めていないということですよね」(前出の制作会社関係者)

4月13日の初回では、冒頭から宇多田の対談でスタートしたことで、まず若者世代が離脱し、その後の若いアーティストのパートでは上の世代が離脱、結果コア視聴率も世帯視聴率も両方取れなかった――ということになりそうだ。

「視聴率に関しては、以前放送されていた『世界一受けたい授業』の方が明らかに高かったですね。初回の結果を見て、日テレの上層部も“マズい”となっているのではないでしょうか。

現在、音楽番組にはCMが入りやすいといい、番組の評価は視聴率がすべてではないでしょうが、制作サイド、そして日テレの上層部もこのままでいいとは思っていないのは間違いないでしょうね」(前同)

日テレで34年ぶりとなるゴールデン帯の音楽番組としてスタートした『with MUSIC』。気合い十分の有働、そして松下は、ここからどう巻き返していくだろうか。

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