湘南高校卒業生 自著寄贈 「人生と季節の移ろい感じて」 藤沢市

本を寄贈する清水さん(中央)と奥山さん(右)

《銀は金より良いと書く/銅は金と同じと書く/金は金で黙っている/やはり沈黙は金か》

湘南高校の卒業生で茅ヶ崎市在住の清水洋一さん(87)が独自の詩に絵を添えた『壱語壱絵365』を出版し、15日、母校の歴史資料館に寄贈した。

かつて茅ヶ崎市議会議員を2期務め、引退後から詩画集を創作。人生訓から季節の移ろいや日々の気づきなどを詩と絵で表現してきたという。

今著では書き続けてきた5千編の中から365編選定。日付を振り、季節感も楽しめる仕立てにした。「後輩たちにいろいろな価値観があると知ってもらえたら」と清水さんは話す。

向学心がありながら家業の農業を継がなければならなかった清水さん。支えになったのが詩だった。「石川啄木、中原中也ら詩人たちも人生の苦しみを詠んでいた。心の友を得た気持ちだった」

出版は市議時代から親交のある元平塚市議の奥山晴治さん(81)の勧めで実現。今夏、米寿を迎える清水さんに、その記念として提案した。編集長として選定も担当。「苦労が多かった分、独特の深みがある」とその魅力を語った。

同資料館で閲覧できるほか有隣堂などで販売。鳥影社刊行、3300円。問い合わせは清水さん【携帯電話】090・3232・9738。

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