「恐怖心に打ち勝つ準備を常にしている」「一番評価できるのはPKを…」 サガン鳥栖・川井監督の一問一答

試合後の記者会見で質問に答える川井監督

◆明治安田J1第9節 鳥栖4―2鹿島(20日、駅前不動産スタジアム)

鳥栖はホームで鹿島に勝利し、7試合ぶりの白星を挙げた。FWマルセロヒアンが2得点を奪うなど攻撃陣が奮起し、今季最多に並ぶ4ゴールを決め、勝ち点を7に伸ばして最下位を脱出した。川井監督の主な一問一答は以下の通り。

―試合の総括を。
「ホームでファン、サポーターに勝ち点3を届けることができて非常にうれしい。(2連敗中で)難しい状況だったが、声援が後押しをしてくれた」

―チャンスを多くつくって複数得点で勝つ。理想の勝ち方だったのでは。
「失点を極力減らしたかったが、客観的に見て(2チーム合計で)6ゴールというのはお客さんは非常に楽しめたんではないかなと思う。もちろん、失点を減らしてどんどん得点を増やすというところは追求したい。流れ的には、こういうゲームを毎回したいなと思っている」

―新加入のDF長沢が初先発。
「結果を出したので『良い』と言われれば『良い』のかもしれないが、もっといいパフォーマンスは出せる。まだまだ足りない部分も見えたし、本人も自覚していると思うので、次に向けていい準備をしてもらいたい」

―次戦以降は連戦となる。
「YBCルヴァンカップもあるし、チーム全員で戦っていくという一体感が大切になる。そういう意味ではいいスタートを切れた」

―守備を振り返って。
「2失点をしたので、これが0―2で負けていたら『また守備が(悪い)』という話になるのだが、中身が少し変わってきたかなと思う。ピンチはあったが、数は減ってきている。しっかり対応している部分が多かった。一人一人の意識が変わり、チームの意識が変わり、それがパフォーマンスに表れてきているというところでは守備に手応えを感じている」

―前半終了間際に逆転。ハーフタイムの指示は。
「前半は早々と失点して『またか』という形から同点に追い付き、逆転。ただPKを外してしまっているし、そういう意味では前半はどっちつかずというか、いい部分もあれば悪い部分もあった。ただスコアは2―1。ハーフタイムには『前半はもう忘れましょう。後半リスタートは〝0―0〟(のつもりで)で行きますよ』と(指示した)」

―連敗中は状態が少しずつ良くなっていく中でも結果が出ない状況だった。この1勝がチームに与える影響は。
「今の質問は究極の質問だと思います(笑い)。やっぱり結果が出るとチーム全員が幸せになれるし、笑顔になれるし、次に進む意欲も湧いてくる。チームとしては、実は何も変わらない。日々トレーニングして次の試合に挑むこと。ただ、やはりわれわれも人間なので(連敗中は)さまざまな声を聞いたり、さまざまなものを目にしたり、そういうことで恐怖心に変わることがある。われわれが本当に素晴らしいのはチーム全員でその恐怖心に打ち勝つ準備を常にしていること。絶対に誰一人はみ出すことなく一体感を持ってやっている。勝つ回数を多くするにはこういう一体感を持って、勝っても負けても引き分けてもその中身というものを絶対に見失わないこと。それを本当に大切にしていけば(白星が)続いていくと思う。僕自身も『難しい状況』と言ったが、中身はあまり難しくはなかった。選手に全くやる気がない、(気持ちが)離れてしまっていれば非常に難しいのだが、そうではなかった。あとは結果を出すだけだった。そういう意味ではいい1勝になればいい」

―FWマルセロヒアンの評価は。
「得点も素晴らしかったが、一番評価できるのはPKを外した後、自分の責任であるかのように守備でもスイッチを入れたこと。PK失敗の後にどちらに転ぶかなというのは僕自身も興味深くて、沈んでいくのか、どっちに行くかなというところがあった。そういう意味ではわれわれが望んだいい方向にいったので、(得点以上に)メンタル的に非常に今日は評価できる試合だったのではないか」

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