ソフトバンクの次代担うドラ1左腕が「投球と同じ気持ちでやらないと」と猛省したプレーは 公式戦デビューの前田悠伍「悔しい思いがある」

7回に自らの失策も絡んで失点したソフトバンクの前田悠(右から3人目)

◆ウエスタン・リーグ ソフトバンク4―4広島(20日、タマスタ筑後)

ソフトバンクのドラフト1位ルーキー、前田悠伍投手(18)=大阪桐蔭高=が公式戦初登板でプロの洗礼を浴びた。2番手で1回を2安打2失点。21球を投げて、最速は141キロだった。「初めて試合で投げられて率直にうれしかったけど、結果は良くなかった。課題を次に生かせるように練習していく」と誓った。

雨が降る中、1点リードの7回に2番手で登板。先頭の大盛に粘られた末の9球目、低めのスライダーは一塁へのゴロとなったが、自身のベースカバーが遅れて内野安打に。「先頭は打ち取りたかった。最初に2ボールにしたことが響いた」と反省した。

さらに一塁へのけん制悪送球で無死二塁。持丸の投前への犠打を一塁に悪送球して、走者が生還して同点とされた。「バント処理で滑って(うまく)投げることができなかった。高校とは違う硬いマウンド、雨も(プロでは)初めてだったので、なかなか修正しきれなかった」と吐露した。

なお無死二塁のピンチで、小笠原2軍投手コーチ、捕手の嶺井や内野手がマウンドに集まった。捕手の嶺井に「思い切って投げろ」と声をかけられ「切り替えることができた」。続く内田は二直。二塁の広瀬のファインプレーに救われた。

佐藤は得意のチェンジアップで空振り三振。2死までこぎ着けたが、韮沢に138キロの直球を左中間へ運ばれ、勝ち越しの適時二塁打とされた。最後は中村奨をスライダーで左飛に打ち取った。

予定されていた2回ではなく、1回で降板。松山2軍監督は「(雨で)グラウンドのコンディションも良くなく、ちょっとバランスを崩して投げないといけない部分もあった。球数も投げてしまったので、無理はさせなかった」と明かした。前田悠は「思い通りの投球ができず、悔しい思いがあった」と唇をかんだ。

1イニングに2失策を犯したのは「あまり経験したことがない」という。その上で「投手は9人目の野手。投球と同じぐらいの気持ちでやっていかないと、1軍では活躍できない」と猛省した。

高校時代に選抜大会を制した世代屈指の左腕。将来のエース候補として期待され、球団の「特別育成プログラム」で調整を続けている。「初登板でこういった経験ができて、課題がたくさん見つかったことが収穫」と前を向いた。(浜口妙華)

© 株式会社西日本新聞社