J1アビスパ福岡、真逆の展開に苦戦 長谷部監督「勝ち点1を取れたという捉え方も」

後半、岩崎(左)に指示を出す福岡・長谷部監督(撮影・柿森英典)

◆明治安田J1第9節 福岡2―2磐田(20日、ベスト電器スタジアム)

ボールを「持たされる」展開にアビスパ福岡が苦戦した。ジュビロ磐田を相手に前半30分にカウンターから失点すると、後半2分に2点目を許した。ボール保持率は福岡の59%に対し、磐田は41%。磐田の横内監督は「多少持たれていいゾーンは選手と共有していました」と策がはまった2得点だったことを明かした。堅守速攻を狙う福岡のお株を奪われた形だ。

センターバックの井上は「僕たちにボールを持たせて、中に入れるようなパスを狙うサッカーだった。自分たちもイライラした部分があったと思うし、そこでちょっと切り替えが遅くなったりとか、どこに戻るのかがおろそかになったんじゃないかと思います」と反省を口にした。

長谷部監督は劣勢の後半に策を打った。スピードのある岩崎を前線からウイングバックに起用。ボールが収められるウェリントンを前線に投入し、攻撃陣を厚くした。

交代策が功を奏し、今季初の複数得点で引き分けに持ち込んだ。「90分を考えると残念な結果だったが、よく追い付いて勝ち点1を取れたという捉え方もできる」。長谷部監督の複雑な胸中が試合の展開も物語っていた。(向吉三郎)

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