50号車フェラーリがふたたび最速。一時ワン・ツー築いたBMW勢を逆転/WECイモラFP3

 4月20日、イタリアのイモラ・サーキットでWEC世界耐久選手権第2戦『イモラ6時間レース』のフリープラクティス3回目(FP3)が行われ、フェラーリAFコルセの50号車フェラーリ499P(アントニオ・フォコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン組)が予選前最後のセッションでトップタイムを記録した。

 シリーズ初開催のイモラ・ラウンドの予選日は、レースウイーク初日となった19日(金)と同様に晴天に恵まれた。気温15℃、路面温度25℃というコンディションのなか始まった60分間の走行では、前日に最速タイムを記録しているフォコの50号車フェラーリが1分31秒567を記録して暫定首位につける。

 これに姉妹車51号車フェラーリ499Pが1分32秒822で続くと、この2台の間に93号車と94号車の新型プジョー9X8勢(プジョー・トタルエナジーズ)が割り込み、直後には20号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームWRT)とロバート・シュワルツマンの83号車フェラーリ499P(AFコルセ)が立て続けに2番手タイムを記録。さらには5号車ポルシェ963のマット・キャンベル(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)が1分31秒671を刻み3番手に食い込んだ。

 セッション開始から10分が経過すると、ドリス・ファントール駆る15号車BMW MハイブリッドV8が1分31秒272というタイムでトップに躍り出る。ほどなくして姉妹車20号車BMWを駆るレネ・ラストが1分31秒543で続き、BMW勢がワン・ツーを築く。

 しかしセッションの4分の1が過ぎた頃、3番手に下がっていた50号車フェラーリのフォコがタイムを更新。全体ベストとなる1分31秒238をマークし、0.034秒差でBMWから首位を奪い返した。このあと上位勢に順位の変動はなく、4番手以下は83号車フェラーリ、5号車ポルシェ、51号車フェラーリというオーダーとなり、トップからコンマ6秒遅れた平川亮組8号車トヨタGR010ハイブリッド(TOYOTA GAZOO Racing)が7番手に。姉妹車の小林可夢偉組7号車トヨタGR010ハイブリッドは、間に12号車ポルシェ963(ハーツ・チーム・JOTA)を挟んで9番手につけた。

 10番手は開幕戦カタールを制した6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)だ。このクルマの直後には、イモラがデビュー戦となっている改良型プジョー9X8の93号車と94号車が続いている。

 なお、FP3はポール・ディ・レスタ駆る94号車のスタックが原因で、残り3分の段階でレッドフラッグが提示されそのまま赤旗終了となった。ターン12へのブレーキングでロックアップしたプジョーのマシンはコーナーを直進し、バリア直前でストップ。幸いクラッシュには至っていない。

■速さを見せたアストンマーティン勢

 今季より新設されたLMGT3クラスでは、セッション折り返し間際に初めて1分43秒を切るマシンが現れ、ダニエル・マンチネッリのドライブで1分42秒992をマークした27号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3(ハート・オブ・レーシングチーム)がクラストップに。しばらくの間これに続くクルマが現れなかったが、終盤になってマルコ・ソーレンセン駆る777号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3(Dステーション・レーシング)が同門のマシンを上回る1分42秒474を記録した。

 3番手には佐藤万璃音が1分43秒193をマークした95号車マクラーレン720S GT3エボ(ユナイテッド・オートスポーツ)がつけていたが、残り5分を切ったところでアウグスト・ファーフスの31号車BMW M4 GT3が1分43秒028を刻んでクラス3番手を奪取。さらに92号車ポルシェ911 RSR-19(マンタイ・ピュアレクシング)が1分43秒167をマークして3番手に滑り込んだため、95号車マクラーレンは5番手に順位を下げている。

 クラス6番手は1分43秒252というタイムを記録した54号車フェラーリ296 GT3(ビスタAFコルセ)。以下、91号車ポルシェ911 GT3 R(マンタイEMA)、85号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(アイアン・デイムス)、小泉洋史組82号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(TFスポーツ)と続き、バレンティーノ・ロッシ組46号車BMW M4 GT3(チームWRT)が10番手に。ここまでがトップと1秒以内に入った。

 木村武史が乗り込んだ87号車レクサスRC F GT3(アコーディスASPチーム)は1分45秒710でクラス最後尾、18番手でFP3を終えている。

 WEC第2戦イモラはこのあと14時45分(日本時間21時45分)から、決勝レースのスターティンググリッドを決定する予選が行われる予定だ。

27号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3(ハート・オブ・レーシングチーム) 2024年WEC第2戦イモラ6時間レース

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