年収600万円の夫とケンカする度に「養ってやってるのに!」と言われて悔しいです。世の中には夫と同じくらい稼いでる女性はどのくらいいますか? 私も目指せるでしょうか?

年収600万円の女性は6.4%

国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の給与階級別分布では、年収500万円超600万円以下の女性の割合は6.4%となっています。年収100万円超300万円以下が全体の41.5%を占めており、年収400万円以下まで含めると73.4%にもなります。

年収400万円超500万円以下は12.1%であることから、年収500万円を超えるハードルの高さがうかがえますね。ちなみに年収600万円を超えている人は、わずか8.2%です。

年収600万円の男性は14.2%

これに対して男性は、年収500万円超600万円以下の割合は14.2%で、女性の2倍以上となっています。最も多い年収帯は、年収400万円超500万円以下の17.7%で、次に年収500万円超600万円以下の14.2%が続いています。

男性の年収600万円は、女性に比べると一般的な年収といえるのではないでしょうか。

年収600万円を目指しやすい業界

前記の調査からも分かるように、数は少ないとはいえ女性であっても年収600万円は可能です。働いている女性の14.6%は年収500万円超を稼いでいるのです。ただ、これから目指すのであれば年収ベースの高い業界を選ぶことをおすすめします。元々の給与やボーナスが高いのに加えて、昇給のスピードも速い傾向があるからです。

図表1は令和4年民間給与実態統計調査の「業種別の平均給与」です。最も高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の 747 万円、次いで「金融業,保険業」の 656 万円、「情報通信業」の632万円となっており、最も低いのは「宿泊業,飲食サービス業」の 268 万円となっています。

図表1

国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査

なぜ女性の年収は低くなりやすいのか

図表2は年齢階層別の平均給与を表しています。男性は働き盛りとされる50代に向けて順調に年収を伸ばしていますが、女性は20代をピークに下がっており、それ以降は同じような年収が続いています。

これは結婚や出産によって家庭に入り、復職したとしても扶養内でのパートなどで働く人が多いというのが理由の1つであると考えられます。もちろん男性と同じように年収を伸ばしていく女性もいます。ただ、平均値にするとここまで下がってしまうようです。

図表2

国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査

まとめ

ひと昔前に比べ、男性も家事育児に当たり前に参加するようになりました。それでもまだ、家事育児の負担が女性に傾いている家庭は多く、「扶養内パート」という選択をせざるを得ない女性も多いでしょう。

ただそれが悪いというわけではなく、家庭の選択として実行しているのであれば、「養ってやってる!」というのはおかしいですよね。「じゃあ誰が作ったご飯を食べているの? 誰が洗った服を着ているの?」となります。

ブランクのある女性であっても、年収600万円を稼ぐのは不可能ではありません。目指すのであれば、「電気・ガス・熱供給・水道業」や「金融業,保険業」、「情報通信業」など、年収ベースが高い業界を探すとよいでしょう。

出典

国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-

執筆者:佐々木咲
2級FP技能士

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