東京五輪前にまさかの...。競泳中国代表23人に禁止薬物陽性反応!? 豪紙がスクープ「検体の汚染が原因であると判断」

東京五輪に出場した競泳中国代表の23人がオリンピック直前の検査で、ドーピング陽性反応が出ていたことが発覚した。

2021年オリンピック開幕数か月前にトレーニングキャンプを実施していた中国代表。その際にドーピング検査が行なわれ、採取された検体から心臓疾患の治療に使用される禁止物質トリメタジジンに陽性反応を示していたと現地4月20日、豪紙『Daily Telegraph』のジュリアン・リンデン記者によって伝えられた。

同薬物は、中国水泳界のエースであった孫楊が使用していたものと同じだ。同紙によれば、「中国反ドーピング機関(CHINADA)は、陽性を認めたものの、検体の汚染(コンタミネーション)が原因であると判断した」と伝え、「世界反ドーピング機関(WADA)と世界水泳連盟は、検体の陽性通知を受けたが、双方ともに検体の汚染に同意し、陽性だった選手に処分を科さなかった」のだ。

その結果、東京五輪で3つの金を含む6個のメダルを獲得した。
同紙の取材に応じたWADAの医学シニアディレクターのオリヴィエ・ラビン氏は、「WADAに提示された汚染の妥当性を評価するために、トリメタジジンの製造業者に薬物動態学的および新陳代謝的な情報を求めたこともあった」と明かし、「最終的に汚染に異議を唱える具体的な根拠はないと結論づけた」と話し、処分を科さなかった理由を以下のように続けた。

「実際、トリメタジジンの濃度が低かった。また、数日間採取した複数のサンプルが、陰性と陽性をいったりきたりする選手が何人もいて、ドーピングのパターンが見られなかったことが裏付けとなった」

2021年12月の検体からは、フィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(ROC)からも同禁止物質の陽性反応が出ていた。彼女は22年2月の北京五輪団体戦で金メダル獲得に貢献したものの、剥奪されており、4年間の出場停止処分を受けている。

構成●THE DIGEST編集部

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