4時間46分、18残塁のドローも…モイネロに黒星が付かなかった事実 ソフトバンク王貞治球団会長の笑顔に見たプラス思考

試合前、小久保監督(中央)らとともに練習を見守る王球団会長(左)(撮影・西田忠信)

◆ソフトバンク3―3オリックス(20日、ペイペイドーム)

今季チーム最長となる4時間46分も戦って、結果はドローだった。打線は14四死球を選びながら、得点は二つの押し出し四死球を含む3点のみ。残塁は18を数えるなど、あと一本が出なかった。

安打は7本放っており、四死球と合わせると単純に21人もの走者を出したことになる。それでも勝てなかったのだから「負けに等しいドロー」に思えるが、長時間の試合を見届けた王球団会長は前向きだった。

「ノーヒットで3点取ったもんね。残塁はいくつ? 18? それは記録かね? それで負けなかった向こうもすごいね」

鬱憤(うっぷん)がたまりそうな試合でも、負けなかったことがすべてということだろうか。最後はパンパンと両手をたたきながら「明日はスカッといきましょう」と笑顔で帰途に就いた。

その柔和な表情を見ていると、こちらも「やっぱり負けなかったことが一番なんだ」という気持ちになった。思えば、先発モイネロは連続無失点記録が19イニングで途切れるなど、今季自身最短の4回3失点で降板しながら、黒星は免れた。

同じくカード初戦の19日に先発した東浜も今季最短の4回4失点で降板しながら、チームは勝利した。そういう意味では、ともに早期降板した2人の主戦投手に黒星が付かなかった事実は、今後のチームにとってもプラスかもしれない。(石田泰隆)

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