妹・美和の敵討ちを果たせず… 張本智和が世界ランク8位にストレート負けも、兄妹ともに銅メダル獲得【卓球W杯】

きょうだい決勝進出の快挙は叶わなかった。しかし、価値ある銅メダルを獲得した。

現地4月20日、卓球の「ITTFワールドカップ2024」の男子シングルス準決勝がマカオで行なわれ、世界ランキング9位の張本智和が同8位の林高遠(中国)と対戦。ストレート負けを喫し、妹の美和とともにベスト4で涙をのんだ。

約3時間前には、美和が世界ランク2位の王曼昱(中国)に2ゲーム奪取する接戦を演じたが、惜しくも2-4で敗退。試合後には悔し涙を流した妹のために「打倒・中国」を誓ったが、やはり卓球王国の壁は高かった。

第1ゲームは序盤から林高遠が4連続ポイントで重ねてリード。張本も素早いスマッシュやチキータなどで反撃し、1点差まで迫ったが最後はラリーで返したボールが外れ、9-11で奪われる。

第2ゲームも中国人サウスポーが主導権を握る。強烈なバックハンド、回転量の多いドライブに張本は押されて攻略法を見出せず、常に先行される苦しい展開に。林高遠はうまくコースにボールを散らせて揺さぶり、最後は張本のフォアがネットに当たり、6-11で連取される。

張本は第3ゲーム途中にタイムアウトをとり、なんとか立て直しを図るが、このゲームも林高遠の牙城を崩せず、6-11で落とす。
完全に後がなくなった張本。必死に抵抗する間も与えないほど、林高遠の勢いは止められず、ゲーム序盤から圧倒され、あっという間に10-1とマッチポイントを相手に握られる。最後は張本が返したボールが卓上を外れ、中国人プレーヤーの勝利の雄叫びが会場に響いた。

無念の敗北を喫したとはいえ、今大会は3位決定戦を実施しないため、ワールドカップ個人戦で史上初となる兄妹メダルを獲得する快挙を達成した。今夏のパリ五輪に向け、卓球王国をはじめ世界に最強きょうだいの名前を堂々アピールするインパクトを与えた。

構成●THE DIGEST編集部

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