渡辺謙“お泊まり会”で役作り 妻夫木聡「謙さんがいなければ僕は陸になることはできなかった」

 ポーズを決める渡辺謙(右)と妻夫木聡(撮影・園田高夫)

 テレビ東京開局60周年特別企画ドラマ「生きとし生けるもの」(5月6日。月曜、後8.00)に出演する俳優の渡辺謙(64)と妻夫木聡(43)がこのほど、都内で行われた取材会に出席し、作品への自信をのぞかせた。

 脚本家・北川悦吏子氏が手がけ、人は何のために生き、何を残すのかの答えを求め、2人がバイクで各地を巡る旅を描く。余命宣告を受けたがん患者・成瀬翔を演じる渡辺と、メスを握れなくなり外科医から内科医に転身した、人生に悩む佐倉陸を演じる妻夫木。渡辺は「僕は陸の再生物語だと思っているんです。彼と深く関わる患者ではあるけど、彼が、自殺まで考えようとして、追い込まれる。その男が再生していく物語ということが一番の粋だと思う」と魅力を語った。

 妻夫木は末期がん患者と向きあう役どころを演じたことで、人の生死について深く考えるようになったと明かす。「僕自身、今は、家族のために生きてるんだなと、感じるようになった」。20代の時は、一切考えなかったというが「今を生きるっていうのはすごく大事と。なんでもないけど、コーヒー飲んでるその瞬間だけでも少し幸せを感じられるように、少しなったような気がします」としみじみと語る。

 2人はクランクイン前に役作りのために渡辺邸にて“お泊まり会”を開催。死に向きあう時の表情などを真剣に話し合ったという。妻夫木は「謙さんがいなければ僕は陸になることはできなかった。こんなにも役とともに生きた感覚を得られたのは久しぶり」と充実感を漂わせていた。

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