藤井叡王、加賀で止まる タイトル戦連勝「16」で

  ●叡王戦第2局、伊藤七段が初白星

 将棋の第9期叡王戦5番勝負第2局は20日、加賀市塩津町の旅館「アパホテル&リゾート加賀片山津温泉 佳水郷」で指され、先手の伊藤匠七段(21)が藤井聡太叡王(21)=竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖との八冠=を87手で下した。藤井叡王はこの黒星で、昨年9月から続いたタイトル戦での連勝が16で止まり、歴代1位である故大山康晴15世名人の17連勝に届かなかった。

 角を交換する「角換わり」の戦型となり、伊藤七段は馬を生かした手厚い指し回しで緩みなく押し切った。公式戦13戦目で藤井叡王から初白星を挙げた伊藤七段は「なかなか勝てなかったので、一つ結果が出て良かった」と振り返った。藤井叡王は連勝がストップしたことについて「それ自体は仕方のないこと」と語った。

 第3局は5月2日、名古屋市の名古屋東急ホテルで行われる。伊藤七段は「まだ5番勝負は続くので、しっかり準備したい」、藤井叡王は「気を取り直し、いいコンディションで臨みたい」と次戦への意気込みを述べた。

 2人がタイトル戦で争うのは3度目。2、3月の棋王戦(北國新聞社主催、協賛社・大塚製薬)では、藤井棋王が2月24日に金沢市の北國新聞会館で指された第2局で勝利するなどし、初防衛を果たした。

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