阪神・森下 プロ最長4戦連続打点 勝負強い4本塁打&13打点で2冠!「チャンスで回ってきたほうがすごく燃える」

 2回、適時打を放ち喜ぶ森下(撮影・中田匡峻)

 「阪神15-2中日」(20日、甲子園球場)

 またチャンスで回ってきた。そして、また打った。阪神・森下翔太外野手の勢いが止まらない。期待通りの勝負強さに、甲子園のボルテージはさらに高まった。

 「昨日も対戦していて、ボールの感じとかはわかっていたので、甘い球が来たらいこうかなと」

 近本の犠飛で勝ち越しに成功し、中野が四球を選択。先発・大野をマウンドから引きずり下ろし、森下は代わったばかりの梅野と対峙(たいじ)した。前夜も対戦し、左前打をお見舞いしていた相手。なおも1死満塁の絶好機だった。

 「チャンスで回ってきたほうが自分もすごく燃えるものがある」。1ボールから147キロ直球を逃さなかった。力強く振り切ると、鋭い打球は左前へ。さらに1点を追加し、ビッグイニングにつなげた。これでプロ入り後最長となる4戦連続打点をマーク。「ああいう場面でどんどんこれからも打っていきたい」と頼もしい言葉を放った。

 チャンスではとてつもないプレッシャーがかかる。それでも森下は「回ってきてほしい。自分はそういうところで打って価値があると思うので」とむしろ望んでいる。17日・巨人戦(甲子園)のお立ち台では勝負強さの秘訣(ひけつ)について「何も考えてないからじゃないですかね。平常心です」と話していた。

 本当に何も考えていないのか。その真意を問うと、「打席入る前は『1球ボールが来た』とか『1球ストライクが来た』とかそういうところは頭で整理しますね」と明かした。ただ、打席では多くのことを考えず、「普通の打席と同じように打ってます」と“いつも通り”。心は燃えていても、冷静に準備して打席に入るからこそ、勝負強さが発揮されているのだ。

 中軸全員が打点を挙げての5連勝。「クリーンアップが打点を取れればチームがすごくいい形になってくると思う。大山さん、(佐藤)輝さんも調子良くなってきてると思うので、自分も負けないようにやりたい。明日勝って横浜に行きたい」。4本塁打、13打点はともにリーグトップタイで堂々の二冠王だ。持ち前の強心臓ぶりを発揮し、甲子園6連戦を白星で締める。

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